専業メーカーと総合メーカー

総合メーカーといえどもその一つ一つを見れば事業部
に分かれているので、専業メーカーである、といえな
くもない。でもやっぱり、コミットメントのされ方は
大きく異なると思う。その商品がなくなってもどこか
別の部署にいけば済む人と、その商品がなくなったら
社員が路頭に迷うのとではやはり違うだろう。


総合メーカーの強みは基盤技術や製造ノウハウなどを
有し、それをベースにしてある程度何でも作れるとこ
ろにある。でも、それは強みでもあり、弱みにもなり
うるところだと思う。要は他の商品のノウハウを応用
すればかなり開発自体は楽になる。でも、それをして
しまうことで、「一から作る」ということをしなくな
る。開発というよりは、その"商品"を見なくなる、と
いったほうが正しいのかもしれない。つまり、ある程
度のものはできるがある程度だ、ということだ。


逆に専業メーカーとなると、それしかないわけだから
徹底的にそのことだけを考えることになる。そうする
とやっぱり総合メーカーには見えない細かい部分が見
えるようになり、そこに心配りができるようになるの
だと思う。


とある商品に関して総合メーカーのものと専業メーカ
ーのものを比べたが、総合メーカーのものは確実に差
別化できる機能を有しているものの、いざ使ってみる
と小さい部分でストレスを感じる。一方でそれを使っ
たあとに専業メーカーのものを試してみると細かい部
分でユーザビリティに心地よさを感じるのであった。


他にも例はあり、マイクロソフトがパーム社をつぶそ
うとしたときに同じような製品を出してきたが結局は
パーム社が勝った。これも同じようなものといえるだ
ろう。私見だがマイクロソフトはパーム社を見ていた
が、パーム社はお客さんを見ていたのではないだろう
か。


それだけをやっているからこそ見えるもの、というの
があるように思う。それは総合メーカーには見えない
ものなのかもしれない。


見えないものを見よう。
見えないものを大切にしよう。




NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」はがん看護
専門看護師の田村恵子さんだった。テレビ向けに作られ
たという感はあったかと思うが、それでも「生きる」と
いうことをありのままに描いていたと思う。
彼女にとってのプロフェッショナルとは、「自分の経験
からくる直感を信じてゆるがないこと、そしてそれ以上
に人の力を信じること」であった。何かを極めるとすな
わちそれは直感に立ち返るということだということだろ
う。