人事のTさんの観察眼

出張者のアテンドもあり、人事のTさんと話す機会を持つこ
とができた。もちろん、Tさん自身もいろいろと考えている
こともあるが、基本的には、フランクに思っていることをス
トレートに話す姿勢は非常に好感が持てた。


また、まだ来て日が浅いもののとてもよく人を観察されてい
る。とある方のプライドの高さなどは、自分が感じていたも
のと共感するところで驚いた。また、Oさんのおかれている
境遇なども非常によく考えられていた。


「人財がいない」と言っていたが、同時に、人を処遇するた
めのポストもない。Tさんのスクリーニング基準が高いのは
それに越したことはないが、じゃーどう人が育つ環境を作る
のか、というのはもう1つの課題だと思う。


人をよくわかっておられるし、会社の事情もよくり理解され
ている。特に社内政治の内実などはサラリーマンとしてのリ
アリティだと思うし、それを理解せずして、大企業の中で自
己実現などできないというのもその通りだろう。


ただ、1点違和感を覚えるとしたら、「人の話」、「社内政
治の話」ばかり、つまり内向きの話ばかりである。「あの人
が上に行けば...」というのは会社をよくするための1つの考
え方が、それ以上に重要なのは、戦略そのものである。「顧
客価値を生み出す話」や「戦略の話」そこにこそ本質的な企
業の価値があると僕は思う。「会社は人だ」というのはその
通りだと思う。でも、一方で、戦略がないままに、人だけ変
えたところで何も変わらない。重要なのは、構想力を持ち、
戦略を打ち出せる人財が必要ということであるはずだ。