ザッポス伝説

だいぶ前に買っておきながら読めていなかった、「ザッポス伝説」
を読んだ。
ビジネスの気づきとして、一番大きいのは、「なぜ、アマゾンとい
ジャイアントがいる中で、ザッポスが勝ち得たのか」ということ
だ。オンラインビジネスでアマゾンには圧倒的な強者である。でも
、どこに死角があったかというと、それは「靴への特化」であるは
ずだ。
総合的なオンラインビジネスのサービスとして、アマゾンのサービ
スが優れていることは言うまでもない。ましてや、「本」のオンラ
インショッピングに関しては言うまでもないだろう。ただ、それが
どの商品にとってもエクセレントか、というとそうではないはずだ
。本には本の売り方があるし、食べ物には食べ物の売り方があるし
、薬には薬の売り方がある。アマゾンが総合化すればするほど、何
かのセグメントに特化すれば、アマゾンよりも優れたサービスを提
供できる可能性があるということをザッポスは示したのだと思う。
実際に、ザッポスのサイトを訪れたが、靴のサイズや色など、「靴
を買う」というプロセスを考えれば、エクセレントなサービスだと
感じることができる。もちろん、ザッポスはそれだけではないのが
特徴だが。
それを考えれば、とある商材に特化したオンラインビジネスという
のはありえるはずだ。


別途、ザッポスの初期の話はとても印象的だ。そもそも、誰もが、
「靴をネットで買う人なんていない」と思うのは当然だ。それを、
初期のメンバーが、「ネットで靴を買う人がいる」ということを証
明したのがまず何よりも大きかったのだと思う。それが、ニッチの
ままのビジネスなのか、それとも拡大する可能性があるものなのか
、それを見極めたのは大きいと思う。


最後に、「ライバルに圧倒されずにいられる唯一の理由は、私たち
が取り組んでいることが難しいことであり、私たちは誰よりもそれ
をうまく行っているからなのです。」とあるか、これはまさにビジ
ネスの本質を指していると思う。そもそも、簡単なことをやってい
たら、他社に勝てるわけなんてない。難しいことにチャレンジし、
それをうまくこなせているからこそ、他社に勝てるのだ。ビジネス
とは、難しいものでなくてはならない、というのはビジネスの本質
だと思う。自社を振り返ってどうだろうか、多くの場面で、チャレ
ンジよりも易きに流れる場面のが多いのではないだろうか。それを
「難しいこと」に縛ることこそが経営者の役割だと思う。