自分たちの業界

自分の業界のいわゆる既存商品というカテゴリーが誕生
したのは、およそ1970年前である。いろいろな商品が出
ては消えを繰り返してはいるが、基本的に現在も商品カ
テゴリーとして存在しているものについてはその最初は
1970年前である。それらの商品のバージョンアップを繰
り返して存在しているのが今の自分たちの業界だ。


つまりそれ以降、"商品カテゴリー"を作れるだけのブレ
ークスルーは起きていないといえる。唯一の例外が、自
社が2000年に出した商品Bだ。当初はまったく箸にも棒
にもひっかからないようなものだったが今では立派に商
品カテゴリーとして成り立つだけに成長した。逆にいえ
ば近年のブレークスルーはそれだけだといえる。


なんでこんなことを書いたかというと、結局、研究所の
人間がこの成功のみを知っていることから、第2の商品B
を目指そうとしているのだ。もちろん、「商品カテゴリ
ー」を作ろうとする志はいいと思う。でも、同時に、ア
イデア商品で売れずに終わった商品がたくさんあったこ
とを忘れてはいけない。成功体験から学ぶこともできる
が、本来、そうした失敗体験をもっと学ぶことから、次
の成功体験がみえてくるはずだと思う。


商品Bについていうならば僕は2のポイントを重要と考え
ている。1つ目は、「代替できるものがあったこと」、
2つ目は、「今までにそんなコンセプトがなかったこと」
。1つ目については結果論だ。つまりは、今までにそん
なコンセプトはなかったのだから、作っている本人です
ら代替できるものがあることにはたいして注意を払って
いなかった。でも、だからこそ、ブレークスルーが起こ
せたのだと思う。


今、若手の人たちをみていると、「結局行き着くところ
はそこかい!?」みたいなアプローチがほとんどだ。ま
ずはやっぱりパルプンテを唱えてみることが必要だ。自
分自身がそうしないと。口ではなんとでもいえる。でも
、同時にパルプンテは「怖い」とも感じる。


パルプンテ」=「不確実性」ということか。