シナジーを前提としていない

Hさんと二人で飲みに行ってきた。いろいろと楽しく
話ができてよかった。


その中で一つとても面白いトピックが「シナジーを前
提としてない組織」というものだ。本日の昼会で、F
さんは、事業部をまたがるようなシナジーをどんどん
作りましょう、ということを言っていた。でも、僕は
それに対してすごく違和感を感じていた。僕が感じて
いたのは、事業領域が遠すぎる、ということだ。つま
りは、デバイスの事業とB2Cの事業で全く違う事業
分野でコラボレーションが生まれる可能性というのは
かなり低いと思うし、実際にパッと思いつくようなシ
ジー効果なんていうのがないのが現状だと思う。も
ちろん、細かいところまで目を凝らしていけば、いく
つかはあるかもしれないが、それでも、そうした事業
部をまたがるような成功例というのはいまだにないと
思う。


その違和感に対する一つの解が、「シナジーを前提と
してない組織」というものだ。これはなるほど、と思
った。要はコングロマリットというものは、リスク分
散を行う組織なのだ。つまりは、どっかの事業が傾い
ても、こっちでは儲かっているから大丈夫、というよ
うな体制を築くことで安定成長ができる、というもの
だ。従って、それぞれが依存それぞれに依存しないよ
うにするのがベストといえる。それを目指してきたの
が過去の会社の姿だとするのであれば、シナジーを出
していこう、というのはある種、それとは逆のことを
言っていることになるのだ。


僕自身、シナジーを目指そうというのは決して悪いこ
とではない。でも、上記を認識しているか、というこ
とが重要なのだ。「自分たちのやろうとしていること
はこれまでやってきたこととある種、反することだ、
だからこそ、事業部間の共通項を見出すのはすごく難
しい、でもそれができたときには大きなアドバンテー
ジになるはずだ。」というのであればそれはOKだと
思う。


ちなみに、どうやってシナジーを出していくのか、と
いうことに関してはやっぱり、基盤となる技術が何か
ということをまずは見出すことから出発すべきではな
いだろうか。それをみんなが共有した上でそれをベー
スに何ができないかを考えるのは有効だと思う。でも
、それもナシに、とりあえずシナジーを出すものを考
えろ、というのはちょっと乱暴だろう。