アドボカシーと生保の営業

この前、Kと話していたときに、生保に転職したGの
話題になった。人の一生を左右するような商品に責任
を持つような営業ってどうやったらできるのか、とい
うことをKは言っていた。個人事業主のような形にな
るから自分の人脈が全てとなる、でも、そういう人た
ちに対してヘタしたら信用を失い、友達も顧客も両方
失う、というリスクもある。ましてや、その人の一生
に関わるようなものに本当に責任が持てるのか、とい
うようなことだろう。


それに対して僕はこう思うと答えた。結局は、その人
に保険を売ろうとするのではなく、その人にとって何
が一番良いかを考えることだろう。つまり、本当に、
僕のようなサラリーマン社員に対面の生命保険が必要
なのだろうか。将来の家族構成、配偶者の所得、資産
の有無、会社の状況、キャリアプラン、そうしたもの
を全て勘案した上で、うちの保険がベストですよ、と
いうならそうだろう。でも、その結果、他社の安いプ
ランの方が投資効率は高まることだってある。それを
示せるかどうかだ。要は、その人に本当に合うものが
あれば他社の製品であったとしても勧められるか、と
いうことになる。


でも、もし、自分のノルマを上げたい、自分から保険
を買ってもらいたい、というのが本質にあったらそう
は決して思えないはずだ。でも、それをまずはおいて
おいて顧客のために何がベストかを考えられるような
営業ができたら初めて信頼が得られると思う。


例えば、僕と会って話をしたときに、いろいろとアド
バイスをくれて他社の保険を勧めてくれたとする。彼
自身の売上げはならないものの、それで僕が本当に保
険の知識が増えてよかった、と感じたら、きっと僕は
友達に「あいつから話を聞いてみるといいよ」と人に
言うだろう。そうやって顧客が広がっていくのではな
いだろうか。


もし、久しぶりに会うなり、いきなり、「保険とかど
うですか」となったら、「こいつは自分の売上げしか
考えていない」となり、もう二度と会いたいとは思わ
ないだろう。


こんなことをKに話した後に、「アドボカシー・マー
ケティング」を読むとまさにそれと同じようなことが
書いてあった。

顧客への支援(アドボカシー)を徹底することで
顧客の信頼を得る。ありのままの情報を出し、競
合他社の製品であっても顧客にふさわしいもので
あれば正直に紹介し、本当の意味で顧客にとって
の最高の利益を追い求める。