Kとの話の続き

昨日のKとの話で、考え続けてたことがあったので
メールしておいた。


(1) イノベーションのジレンマを意図的にできるか


確か、昨日こんな話をしたと思う。それで、「そもそ
イノベーションのジレンマを知らないとできないよ
ね」みたいなことを僕は言ったけど撤回です。結果的
イノベーションのジレンマになる事例は世の中に多
くあるはずです。そういう意味でいうと、顕微鏡とマ
イクロスコープに関しても狙ってやったのかどうかは
わからないです。
以前、任天堂の岩田社長の講演を聴いたときに、それ
について話してました。


WiiやDSがヒットして、ある人に、君たちがやったこ
とはイノベーションのジレンマだ、と言われて、その
とき僕はイノベーションのジレンマというものを知ら
なかったのだが、本を読んでみるとまさにそうだと思
った。ただ、僕たちは純粋に、ゲーム離れに危機感を
感じ、それをどうにかしたいという思いのみでやった
だけ。でも、それが結果的にイノベーションのジレン
マになっていた。」


結果的にそうなっていた、というわかりやすい事例だ
と思います。


もちろん、ビジネスの概念を知っていることはいいこ
とだけど、必ずしもそれを狙ってやったからといって
できるものでもないのが、ビジネスです。実際に多く
のビジネス本は過去の事例を読み解き、そこから後付
けで説明しているものは少なくありません。ビジネス
本を読むときにはそんなところにも気をつけたほうが
よいと思います。


(2) 新アイデア


食品業界向けの新アイデアに対して、「簡単にマネで
きるんじゃないの?」と言ったけど、それについても
補足。


アマゾンがインターネットで本を売ろう、としたとき
に多くの企業が「そんなのどこでもすぐマネできるよ
」と言いました。その後、順調に市場が大きくなって
くると、バーンズアンドノーブル(日本でいう紀伊国屋
)という書店が、満を持して、オンラインブックストア
に参入してきた。そのとき、多くの人が「これでアマ
ゾンも終わりだ。バーンズアンドノーブルに蹴散らさ
れる」と言った。


でも、今、アマゾンはどうなっているでしょう?
アマゾンは何をやったのか?ちょっと考えてみるとい
いと思う。


人がアイデアを否定するときに、「そんなの誰でもで
きるよ」「簡単にマネできる」と言います。でも、仮
に他の人がマネしようとしたときに、それでも勝つた
めにどうするか、ということが重要なんだと思う。ア
マゾンはそれをやったからこそ今の成功があるはずだ



僕が言いたかったのは、そういう競合状態になった場
合でも、まったく知らないSよりも、KやDの強みに磨
きをかけたほうがそのときに本当に強みを発揮できる
んじゃないのかな、と感じただけだ。


(3) 顕微鏡とマイクロスコープ


それと、なぜオリンパスニコンはマイクロスコープ
の脅威に何もできなかったか。デジカメの脅威に対し
コダックは何もできなかったけど、富士フィルム
うまく対応できた。その違いは何だろうか。僕ももう
少し考えてみよう。