満たされない思い

Fさんは、「研究所のテーマの成功の分かれ目はプロジ
ェクト化できるかどうかだ」というのを以前、Fさんが
話していた。それをNさんに伝えると、やっぱりそうか
、と。これまでのFさんの言動から結局は既存事業への
事業貢献、という視点しかないことがそれでわかった
と。


もし、望む通り既存事業への貢献というのを主眼にお
くのであれば、こういうアプローチはとらなかったと
Nさんは言う。もし、それを目的とするのであれば、
ON技術と同じアプローチをとるという。


ON技術に関しては、早い段階から、事業部のキーマン
を味方につけ、事業部よりも先手先手で品質やコスト
などについて手をうってきたからこそ、事業部引渡し
ができたのだという。


もちろん、今の技術に関しても事業部引渡しを目的と
するのであれば同じようなアプローチをとる、それが
一番成功確率が高い。


でも、それを仮にやったとしても、満たされない、と
。既存事業がどうにもいかなくなっているのが明らか
なのにそれの改善だけしかやろうとしない。それを打
破するために今の技術をやっているのに、結局、既存
事業にのってしまったら仮に事業引渡しとしては成功
するが、それがやりたいことではないんだという。


本人の思いの本質がどこにあるか、それをわかろうと
した上でディスカッションしたらきっとなんらかの方
向性が出るはずだし、Nさんにもまた新たな発見があ
るんじゃないだろうか。