問題の表面化

今日は読書会の日だった。新しくSさんが加入してくだ
さったのだが、話のほとんどはSさんの部署の話となっ
た。


SさんのリーダーであるNさんは、プレスリリースも行
い、賞もたくさん受賞し、人員も拡大し、まさに成功
した事例のひとつと思われていた。僕らもSさんの話
を聞くまではそういう認識だった。


ところが、この2,3ヶ月でその状況が大きく変わって
しまった、ということだ。技術の受け入れ先の事業部
が受け入れないと言い出し、「どうすんだ?」という
状態に陥っている。全部うまくいっているように見え
ていたのに事業部がやらないと言い出したことで、今
まで見えていなかった問題が表面化した感じだ。


現実的な問題としては下記のような感じだ。

  • それをやっても収益貢献しないから事業部やらない
  • それまでに投資した金額がけっこう大きい
  • 外部の関係でそれでもそれやらないといけない
  • やればやるほど赤字垂れ流す



事業部がなぜやらない、となってしまったかという
と、こういうことだ。

  • 事業部が別のソリューションを見つけその技術の必要性が薄れてしまった
  • 事業貢献するはずが、いろいろな制約条件があることがわかりコストが全然合わない



で、解決策。

  • 他の受け入れ先を見つける



という状態だ。現実的にはこの解決策っていうの
は非常に難しいように思う。


まぁ、それ以上に問題視されているのが、こうい
うことが判明するまで、ずっと「大丈夫、大丈夫
」と言ってたじゃないか、ということなのだ。


もう少し根本に迫ると、リーダーのNさんは人生
をかけてこのテーマに取り組んでいた。よく言えば
情熱的だ。でも、それであるが故に、他人の声をほ
とんど聞こうとしなかった。結果的に苦言を呈して
くれる人間は去り、YESMANばかりが残った結果、事
前に十分分かりえた問題が表面化することなく、大
きな投資をするまでそれが表面化することはなかっ
たということなのだ。


これとは、別に会社としてこの技術をどうして行く
んだ、という問題がある。新しい技術を押し付けら
れて、事業部は、後はやってね、と言われても、そ
んな収益に貢献のしないものをやるわけがない。で
、本当にこの技術が将来につながるというのであれ
ば、それは本社主導でやるべきだろう。その分にか
かるコストは全て本社で見るから事業部さん、受け
てください、というのが筋だと思う


また、僕は別の見方をしていた。そもそも受け入れ
事業部自体が相当厳しい状態でいつやめてもおかし
くない状態だと思う。であるにも関わらず、その事
業部を対象とするのは非常にリスクがある。もし、
その事業をやめたらどうするの、というリスクテイ
クが何もなかった。もし、そういうことを事前に考
えていたなら今回こういう問題があったとしても、
準備ができていたのではないか。


いずれにしても、身近なテーマで成功テーマと目さ
れていたものがまさかこういう状態になっていたと
は、修羅場とはこのことだろう。