塾

休みの日に開催される塾に行ってきた。今日の講師は
所長のFさんだ。人数が多かったこともあり、一方的
に話を聞くだけであったがこれはこれでよい機会だっ
た。


内容としては、自社のR&Dの現状、それから過去の成功
事例について、そして最後にいくつかツールについて
の話があった。要は、R&Dを成功(事業価値)につなげる
ために知っておいてほしいこと、というような感じだ



さて、話を聞いての感想だ。大きく2つある。


1つ目は「長期にわたるテーマの継続」だ。


R&Dテーマの成功要因の第一に「長期にわたる継続と投
資」をあげておられた。一方で失敗パターンとして、
「品変え、名前変えでずるずる続けるパターン」とい
うものをあげておられた。いずれも結果が出てしまえ
ばそれが前者であったのか後者であったのかの判断は
でるが、結果が出るまではどちらも「長く頑張ってい
るテーマ」でいっしょだ。


Fさんはその判断軸を3年or5年でステージupできるか
どうか、とおっしゃられていた。でも、それ以上に重
要なのは担当者が自分たちの周りの進行中のテーマが
前者であるのか後者であるのかディスカッションし、
その判断軸を擦り合わせていくことにあるのではない
だろうか。それを行い一人一人のテーマの筋の良さの
目利きレベルをあげていくことができれば自ずとR&Dの
成功確率はあがっていくように思える。


また、こうしたディスカッションを行うことで、個々
人の価値観が技術的興味にあるのか、事業的成功にあ
るのか、それとも苦し紛れのネタなのか、ということ
も見えてくる。


こうしたディスカッションはヘタをすると、テーマ批
判につながりかねないため実際には上下関係を抜きに
した立場で行うのは、難しい。と思います。でも、互
いを技術者としてリスペクトし、オープンにディスカ
ッションできるようになれば、より一人一人の視野が
広がるのではないかと感じている。


2つ目は、「既存ナレッジを知る機会」だ。


今回、塾において、「自社R&Dの概況」、「成功事例研
究」、「事業評価ツール」など、非常に意義のある話
を聞くことができて大変よかった。ただし、一方で問
題だと感じたのが、今回の研究所塾に参加していなけ
ればこうした話に触れることができなかったのでは、
ということだ。


R&D部門の技術者の一つの役割が「いいタマを仕込
む」というのであれば、やはり過去の成功事例などを
知っておくことは有用なはず。でも、こうした事例研
究が行われていた、ということすら一般の若手技術者
は知らないのが現状だ。(もしかしたら新入社員研修
や何年目の研修の中で話があるのかもしれないが...)


本人が興味を示すかどうかは別にして、「成功事例研
究」や「事業評価ツール」などが社内に既にある、と
いうことを知らせてあげる機会がもっとあってもよい
だろう。塾に限らず、せっかくあるナレッジを共有す
るような仕掛けがもっと日常的あればよいのでは、と
今回話を聞いて感じた。