長期技術ロードマップの書き方
DNAデバイスの話を聞いた。いきなり、DNAデバイスと
はみたいな話から入ったため、いったい何にどのよう
に使われるか、というイメージがつかなかった。よく
よく話を聞いてみると半導体を進化させる一つのアプ
ローチになりうる、ということだった。僕自身半導体
プロセスの知識はまったく持ち合わせていないため、
多少とんちんかんなことを言っているかもしれないが
、まぁそれはおいておく。半導体の製造プロセスにお
いてムーアの法則の限界説が言われているが、これを
乗越えるための一つのアプローチがDNAデバイスみた
いなバイオ分子デバイスなんだろう。
要はそういうものに対して、「こんな技術あります」
「ふーん」ではなく、もっと長期的に何が起きるのか
をディスカッションすべきだと思う。
例えば、うちにも微細加工のプロセスを利用した製品
があるが、それに関連するものとして半導体の将来が
どうなるかを考えたらいい。そうすると、いずれムー
アの法則も限界にぶつかる、というのは大きなトレン
ドとしてわかる。日本の人口が減ります、資源争奪が
起きます、と同じような論理だ。
そうなったときに既存プロセスを凌駕するものとして
どんなものがあるか、というのを考える。そうすると
、手段A、手段B、手段Cの方向性がある、というの
は基礎研究をウォッチしていればわかるはずだ。DN
Aデバイスなんかはその手段Dとかなんかもしれない
。
そして、自社はそのどの方向性を歩んでいくのか、と
いう話になる。今は全部をウォッチしておくとか、自
社の販売を見て、手段Bの強化が必要とか、手段Cに
投資していくか、とかだ。他社がみんなやっているか
ら手段B、逆に他社がやっておらずその分当たりがで
かいということで手段C、なんていう選択であっても
いいと思う。そういうのがロードマップではないのか
。そのときに、DNAデバイスのようなものに対して
、これは「20年後の技術だ」という判断でもいい。
でも、どこのどういう部分がクリアになったらどうい
うアクションをするのか、というのは考えておかない
といけない。そういう意味でやっぱり業界のロードマ
ップと自社のロードマップを用意しておく必要がある
んだろう。
ちょっと話をそれるが、Fさんが面白いことをいって
いた。DNAデバイスのカリフォルニア工科大の先駆
者はその専門がソフトなんだという。要はこういう分
野っていうのは既存の分野を突っ走っているだけでは
携われない、自分の専門の枠から一歩外に踏み出す人
がやる分野なんだ、といっていた。それはその通りな
のかもしれない。じゃーそういう人になるためにはど
うしたらいいか、だ。