マクロから市場を見る

「ウェブを進化させる人たち」という本を読んだのだが
、その中に面白い内容があった。


アットコスメを運用する株式会社アイスタイルの吉松徹
郎氏の話だ。

化粧品が面白いと思ったのはマーケティング費が
非常に大きい業界だったからです。日本の広告宣
伝費が6兆円と言われている中で、1位が食品、
2位が化粧品・日雑品、3位が飲料。食品が7兆
円市場で、マーケティング費は4000億円、飲
料が4兆円市場でマーケティング費が3000億
円、一方、化粧品は1兆5000億円市場と比較
的市場規模が小さいのに、マーケティングには3
400億円をかけているんです。マーケティング
費の10%がネットに流れれば300億円、1%
でも30億円だからやらないわけはないだろうと
スタートしました。日本は流通が発達しているの
で何円何銭で勝負しているところに新しい中間流
通業者がいきなり参入しても勝てるわけがない。
そこで商品の価格が一定化されている業界は何だ
ろう、再販制度がある業界は何だろうと見ている
と、書籍と化粧品がそうだった。Amazonと同じ
ように多品種・小ロットモデルで商品をそろえれ
ば、化粧品分野でもAmazonのようになり得るだ
ろうと思い、じょじょにがんばっているという状
況です。売り上げはまだ日本における化粧品の広
告宣伝費3400億円のうちの0.5%しかありま
せん。



マクロの視点から市場を見定めている点に共感を覚えた
のだが、これはライフネット生命の岩瀬氏がネット生保
の市場を説明する際にも同じようなことを言っていた。
生保市場がこんだけあって、その2%でもこれだけです
よ、みたいな感じだ。


市場性を問われたときに、マクロの視点から市場性を示
すと非常に説得力がある。後は、それをどうとっていく
か、というのが勝負になるのだが、そもそも市場性を示
さないことにはそれすら聞いてもらえないだろう。