逆境の時代を生き抜く!

到知4月号の中で、「逆境の時代を生き抜く!」という
タイトルで上甲晃氏が松下幸之助氏の哲学について語
っていた。


上甲氏が電子レンジの販売課長だった頃、不景気のた
めに課長職以上の昇給はすべてストップ、ボーナスの
代わりに社内製品を買うよう指令が出たという。しか
し、それに不満を抱いていた者は少なくなかったとい
う。それは、ボーナスを支給されるたびに、松下幸之
助氏にこう言われていたからだという。「君、全部使
うたらあかんで。会社が本当に困ったら君に借りるか
らな。」経営が行き詰った時は、自分も会社のために
身銭を切らなければいけないと、いつも頭の片隅にあ
った、という。


ちょっと、本当か、と思う部分もあるが、それでも、
トップが不況が来ることも念頭に置いた上で、自らこ
ういうことを語ってたというのはやはりさすがとしか
いえない。


もう1つ目を引いた文が以下のものだ。


不景気の真っ只中で何をやっても売れない時、「売れ
ない時に無理して売ったらいかん」という松下幸之助
の言葉に、私は随分救われる思いがしました。
売れない時に無理して売ると、必要以上に値下げをし
たり、通常は受け入れられないような条件をのんだり
、売り方が崩れる。だから売れない時は、無理に売ろ
うとせず、次に売れるよう種や苗を植えることに力を
入れなさい。要するに不景気の時は、好景気の時に手
の回らなかったことをやるチャンスなのだと、松下幸
之助は我々社員に呼びかけました。


これっていうのは従業員を本当に信じてなければ決し
ていえないことだと思う。従業員を信じていなければ
、「もし、こんなことを言って従業員が努力をしなく
なってしまったら困る」と考えるはずだ。そう考えて
しまったら絶対にこんなことはいえない。


それどころかどこかの社長なんかは、それでも売りを
上げろの掛け声ばかりかけている、ときたもんだ。