事業に興味がない
Fさんは昔、超高級○○を作っていたが全然売れなかっ
たという。事業部の人は誰も相手にしてくれず、よく
1人で評価とかしていた、ともいっていた。その次の商
品なんかは、一生懸命やっていたが、自分が知らない
間に事業部のテーマとしては終了していたという。
それに対して僕は、「商品全然売れなかったのに楽し
かったですか?」と聞いたのだが、「好き勝手、いろ
いろ作れたし楽しかったよ。」と答えてくれた。その
とき僕は、口にこそ出さなかったがこう思った。「こ
の人はウソをついている。僕がそういう方向に興味を
持たせないように、もっと技術をやらせるために、あ
えてそういうふうに言っているんだな。」
つまり、僕の根本としてはお客さんが喜んで買ってく
ださる、というものがなければ絶対に楽しくないとい
う価値観があって、だからこそ、そういう解釈しかで
きなかった。
さて、昨日、大学の先輩でもあるMさんと久しぶりに話
した。いろいろと話す中で、Mさんに「今やっているシ
ステムが売れても売れなくてもどっちでもいいんですか
?」と聞いたら、「どっちでもいい。」と答えてくれた
。そんなことよりも、そのシステムの中身がどうなって
いるか、それに興味があるんだという。だから、売れて
も売れなくても、それは本人の楽しい楽しくないには
、直結していないのだ。
ここまではっきり言ってくれてだいぶすっきりした。
そもそも価値観が違うのだ。別にそれ自体は肯定する
ものでも否定するものでもない。でも、その価値観を
理解していなかったら決して議論がかみ合うことはな
いのだ。まぁ、そういう部分で価値観は違っても、M
さんとはいつも建設的な議論ができるからいいのだが
。
別に技術にのみ興味を持つことは悪いことだとは思わ
ない。本来それぐらいのめり込まないと新しいものな
んか生まれないから。Fさんにしてもそうだと思う。
だから、そういう人がいて、ビジネスに興味がある人
がいて、それぞれの強みでそれぞれが仕事をし、それ
がうまくシナジーをもたらせばそれでいいはずだ。だ
から、企画の人間なんかはよく、「あいつは技術しか
わかっていない」みたいなことをいうが、それはナン
センスなのだ。そういう人間がいなければ、決して、
技術的ブレイクスルーは生まれず、安易な商品しか生
まれてこなくなってしまう。なんでもかんでもビジネ
ス思考だ、みたいな考えは僕は反対だ。
何が言いたいかといえば、要は互いの価値観を理解し
、それをリスペクトし合えるような関係がもっともっ
と求められるのだと思う。