社内シンクタンク

長期技術戦略を考えるようなワーキングをやっている
のだが、小耳にはさんだ現状。どうやら、まったく専
門の違う人たちが各班にわかれてあーだこーだという
ようなことをやっているらしい。そこでは、とりあえ
ず「こんなのあったらいいな」から「そのための技術
」みたいな感じで話し合っているという。「これから
こういう社会になるなぁ」みたいな感じだ。そこに、
ある事業分野に関しては経営企画のメンバーもいっし
ょに入っていろいろとアドバイスしているらしい。N
さんとしては、「みんなでワイワイガヤガヤやって、
いくつかの視点でくくって、そこからこんなのがあっ
たらいい、みたいにもっていって絵を描いたらいい」
みたいに思っている。そんなんで、具体的n商品は何
で技術は何か、みたいな調査を4月からしようという流
れになっているようだ。


でも、こういう話し合いからはダイソンのような掃除
機を作ろう、とはならないだろう。まぁ、せいぜい、
今後は環境だから、環境でビジネスになりそうなこと
は...太陽電池で、それから健康が...みたいな、要は
マスコミに依存したような発想しか出てこないのでは
ないだろうか。


そもそもボトムの人間がマクロのことを考えるんはち
ょっと違うような気がする。やっぱり、そういうマク
ロ環境を捉えようとするのであれば、シンクタンク
か総研のような部署が必要になると思う。今の経営企
画室はその役割を果たせてないが。一方で、現場に求
められるのは、ボトムの視点からのテーマアップでは
ないだろうか。実際に現場を這い回って出てくるよう
なニーズは決してマクロ情報からは出てこない。つま
り、鳥の目と虫の目、の両方が必要になる。


マクロ環境分析を担う組織として1つの例が東レ経営研
究所ではないだろうか。実際にどういう活動をしてい
るかなど詳しくは知らないが、ただこういう機関を自
分たちで有したという風土がカネボウとの大きな違い
だったのではないだろうか。マクロな視点でトレンド
を分析し、自分たちの強みづたいの戦略を行ったから
こそ、繊維メーカーから高機能材料メーカーへと変身
を遂げられたのだと思う。


なんでもかんでもトップダウンでもよくないが、なん
でもかんでもボトムアップでもよくない。そのバラン
スをどうとるかが長期戦略を考える上では重要なので
はないだろうか。