どっちに付加価値があるか

  
事業部門(開発・製造)と営業部門、どちらに付加価値
があるのか。


前にも書いたが、とある商品に関して、他社格安商品
と自社の製品原価を調べたところ、原価ではほぼ変わ
らない、もしくはこちらのが安いぐらいだった。でも
、最終価格は倍ぐらいの開きがある。要は流通過程で
それだけのコスト(人件費)がかかっていることになる
。そうであれば、それは営業側がその面にかんしてい
えば付加価値をつけていないことになるのではないだ
ろうか。


なので、事業部門自体に力があるのであれば、OEMなど
をしてもいいのだ。高コストの自社営業ラインに流す
よりも、OEMとして他社に売ったほうが事業部門として
は工場の稼働率もあがるし、売上が伸びる。


また原材料販売という手もある。工場を稼動させるた
めに最終加工の直前までを自社で行い、最終加工はそ
の会社でやってもらうという形だ。


何にしても、結局、事業部門は工場の稼働率をあげて
なんぼ、ということだろう。売り先が自社の営業だろ
うが、他社だろうが、とにかく数さえ出れば、コスト
が下がる、それでさらに優位が生まれる。そうした規
模の経済を成り立たせることがその本質だ。だから、
事業部門としては、あまり数が出ないような、要は多
様なニーズに答える、というようなことはやりたがら
ない。それではコストが下がっていかないからだ。逆
にいうと数が出なければ、工場としては何を作っても
付加価値がつけられないということになる。


一方で、営業部門。もし、自社が○○事業を撤退した
らどうなるだろう。製品ラインナップを考えると、そ
の製品がなくなるのは痛い。そしてら、それを他社か
ら調達すればいいのだ。要はOEM調達して自社ブラン
ドで売ればいい。そしたら、ワンストップの営業が可
能になる。


ただ、気をつけなければならないことは、安易にOEM調
達に頼ると技術が育たなくなるということだ。つまり
はその商品を提供する他者依存ということになる。ま
た事業部門のOEM供給にしても同じだろう。それをやり
続ける限り、いつまでたってもルートを作ることがで
きない。


結局は自社の強みを考え、創って、作って、売る、そ
れをトータルに見ていくことが大切なのではないだろ
うか。