若い人が辞める会社

別の部署の2年目のSさんが会社を辞めることにしたと
いう。精神的にもかなりまいっていて、入院もしたり
したという。


それにしても若い人ばかりがやめる会社には、やっぱ
り未来はないと思う。もちろん、Sさんにまったく問題
がなかったとは言わないが、それでもこういうところ
に危機感を感じないことがやっぱり危機だろう。


Sさんなんていうのは、語学力もあり、おそらく他社か
らすれば是が非でも欲しい人材だろう。こういう人材
を惜しげもなくやめさせているうちの人事とは何なん
だろう。本気で海外を伸ばしていこうと思うのならば
不可欠な人材なはずなのに。


だいたい、優秀な人間からやめていく。上司や先輩に
おべんちゃら使うようなつまらない人間ばかりが残る
。そういう人間ばかりが残って上にいくから結局、カ
ルチャーは変わらない。失った人材の損失コストとい
うのが全然わかっていない。


「2年目の社員」と一括りにするから何も見えなくなる
のだ。そのなかには磨く原石もあればどうしようもな
い石もある。結局、そういうところをまったく見よう
としない。


離職率にしたって、20代〜50代まで全部いっしょにし
て平均化するから何も実態は反映されてこない。50代
離職率と20代の離職率を比べてみよう。さらに言え
ば20代でポテンシャルの高い人間の離職率だけを出し
てみよう。そういうことをしない限り何も現実は見え
てこない。


おそらく僕自身が今、会社をやめたところでNさん以外
は誰も、僕がどれだけ考えたか、どれだけ悩んだか、
なんかについては誰も言及しないだろう。OさんやHさ
んなんかが、「あいつみたいなやつはいずれやめると
思っていたんだよ!」みたいに言っているのが目に浮
かぶ。決して誰も、「僕がなぜやめたか?」なんてい
う点に目線はいかない。そこが一番の問題だと思う。


責任者全員にこういう質問をし本気で考えさせたらど
うだろうか。「あなたの部下が今日会社をやめました
。なぜですか?」


いずれにしても、年寄りが居座り、若い人が辞めてい
く会社に未来はないと思う。この不況で、学生の大企
業思考はますます高まっていくだろう。そういう人間
が入ってはやめを繰り返し、社内の平均年齢は上がっ
ていく。別に年齢によって上だからダメ、下だからい
い、と言うつもりはない。大切なのは、本当に今の状
態がいい状態なのか、と問いかけることだと思う。