何にお金を使うか
到知3月号ので牛尾治朗氏が、魏の李克という人の言葉
を紹介されていた。
「居ては其の親しむ所を視、
富みては其の与うる所を視、
達しては其の挙ぐる所を視、
窮しては其の為さざる所を視、
貧にしては其の取らざる所を視る」
(平生どういう者と親しんでいるかを見る。
お金ができた時にどう使うかを見る。
出世して地位が上がった時にどういう人物を抜擢、登
用するかを見る。
困窮した時に何をするかではなく、何をしないかとい
う点を見る。
貧乏している時に何を取るかではなく、何を取らない
かという点をみるべきです)
また、松下幸之助氏は、「お金の使い方を見れば、そ
の人物がすべて分かる」とおっしゃられていたという
。
たぶん、敢えてこういうのを明示しなくても、人は人
を見る際に無意識的にこういう見方をしていると思う
。特に立場が上になればなるほど、周りからはそうい
う見方をされていくんだろう。
僕自身が思うのは、「お金の使い方」もそうだが、「
時間の使い方」もそうだと思う。特に、仕事以外のと
ころで、お金と時間をどう使うか、それが人の成長を
分けるところになるような気がする。もちろん、仕事
への取り組み方という面でも人の差は出てくると思う
。でも、その差の出方に寄与してくるのが、仕事以外
のところになるのではないだろうか。
Nさんは若い頃に自腹で18万円のドラフタを買って、家
で図面の練習をしていたという。その時点で、やっぱ
り違うなぁ、と思った。Fさんも家に半田ごてを持って
返ってはんだづけの練習をしていたという。
見えないところでこういうことができるかどうかがや
っぱり大切なのではないだろうか。
今月号の到知でもう一つ面白かったのが、テルモの和
知氏の話だ。銀行員だったときに、とある役員が別の
会社へ出向を命じられた際に、「相談させてください
」と言ったら、「誰と相談するんだ?」となり、「女
房と相談します。」と返したらしい。そしたら、「役
員にもなって女房と相談しなきゃものごとの一つも決
められないんであったら役員の資格なんかない!」と
怒られたそうだ。それもあって、テルモへ出向する際
は、即答で行きます!と答えたという。
思わず読んでて笑ってしまった。