ペルソナ

来週、ペルソナのコンサルタントの人と会うことにな
った。自分から望んでではないが。とりあえず、ペル
ソナについては漠然としか理解してなかったのでHBR
の06年6月号を引っ張り出してきて予習。


ペルソナとはおよそ一様に表現できないユーザたちを
象徴的アーキタイプ(典型)として擬人化することであ
る。要は多くのユーザを満足させようとするようりも
、たった一人のために設計しましょう、そのたった一
人を明らかにしましょう、というものだ。その思想を
元に生まれたコンセプトであり、「平均は、消費者の
本当の姿を反映したものではない」というマーケティ
ングの問題を解決する手段となりうるものである。


ペルソナの手法の流れとしては、データソース→ファ
クトイド→クラスター化と高次元における組織化→ス
ケルトン→ペルソナの基本文書、となる。まずユーザ
カテゴリーの整理を行いそれが一段落したところで、
各ユーザの特徴を箇条書きにする。これがペルソナの
ケルトンである。スケルトンにはまだ名前や年齢と
いった個人情報を追加する必要はない。そして、スケ
ルトンからペルソナへの展開は、つまるところ、箇条
書きを文章家する作業にほかならない。いわば「小説
」のようなものに変換するのである。


このようにしてペルソナを作り、それを使うことでこ
れまで口にしていた「ユーザ」という社内外の関係者
や部門にとって捉え方が変わり、あいまいだった言葉
を、同じユーザ像として共有することができる。そし
て、二者択一となった場合などにペルソナに基づいて
意思決定をすることができるのである。


以下感じたことだが、手法としては非常に面白いが、
懸念としてあるのが、「いそうでいない人」にならな
いだろうか。例えば、「優雅でリッチなOL」なんてい
うペルソナが出てくるが、結局、特徴抽出などで現実
を見ようとしなければ、参加メンバーのステレオタイ
プがそのまま特徴としてのってきてしまう可能性は高
い。そうした意味でデータソースはより重要になるの
ではないだろうか。欲を言うのであれば、現実に存在
する「この人」というところまでペルソナを進化させ
られたらよいと思う。