月販売数台の商品

今週は、とある事業の人といっしょだった。日本でどういう開発が動い
ているかと聞くと、既存技術の商品を新技術の商品に置き換える開発が
進んでおり、とりえず、どの品番も全て、新技術に置き換える、という
方針で動いているらしい。


その結果、今年の新商品数も1000近くに達するようだ。ただ、中には、
月に5台も売れないような商品も多数あり、本当にそれらを出すことが
正しいのか、現場の技術者すら疑問に感じているが、「とりあえず置き
換えていく」というのが方針のため、やっているようだ。


でも、本当にそれが正しい戦略なのだろうか。直感的にそうではないよ
うに感じる。


そもそも、「何でもかんでも全部揃います」というスタンスで、カタロ
グを分厚くしていくことで成功したのは事実だろう。でも、実際には、
そのビジネスモデルが制度疲労を起こし、利益を生まなくなってきたこ
とも事実である。

そうであれば、この転換期において、またさらに過去の戦略を踏襲
するのか正しいのかを見直す必要がある。


そもそも、事業の形としては以下のような形が考えられる。
 1.完全なカスタマイズ
 2.商品数を絞り、大量生産してコストを下げる(マブチモーター
 3.あらゆる商品を自社開発で取り揃える
今の戦略はこの3になる。


どこでその線引きを引くのか難しいが、極力商品数を絞り、コストを
下げ、利益率を高めていきながら、数の出ない商品については、カス
タマイズで対応する方がよいのではないだろうか。
そこの線の引き方が、この事業の付加価値の出しどころだと思う。
もう一つ考えるのが、そうしたときに、そこを他社がどうついてくる
か、という点だ。そこにニッチ市場が生まれるのであれば、他社に参
入機会を与えることにもなりかねない。そうした事業設計が重要にな
ると思う。