社長の後ろ盾

そもそも、Oさんがどうしてあれほどの暴走をできたのか。ポイントは、
2つあると思う。


・後ろ盾としてNさんがいたこと
・現実ではない理想郷のようなものが見えていたこと


たぶん、あれほどの、改革をやってきて迷いがないはずはない。でも、
なぜOさんがそれをできたかといえば、その背中を押してくれるNさんが
いたからだろう。実際に、決算報告などは、まずNさんにお伺いを立て
ていた、という話も聞くぐらいである。逆に、もしNさんがいなければ
怖くてそこまでできなかったのではないだろうか。Nさんが「それでい
い」と言ってくれることで、自分のやっていることは間違いない、と
思うことができたのだろう。


また、Oさんとしては、全てが会社のためにと思って決断してきたこと
だ。会社とはこうあるべきだ、というある種理想郷のようなものがOさ
んには見えていたのだろう。全てをすっきりして、全ての目標を定め
てそれさえあれば、バラ色の未来が作れるんだ、というような。もち
ろん、ビジョナリーになり、未来を見ることは大切だ。でも、結局、
足元の現実が見えていなかったのだろう。


以前、Aさんが言っていたが、あれもできました、これもできました
、その目標も達成しました、でも、利益ゼロです、というような...。
まさに現実に起こっていたことはそういうことだったのだろう。


なぜこういうことを考えたかというと、新事業を考えたときに、それ
だけでもたくさんのリスクが考えられてしまうし、自分の背後で責任
をとってくれる人がいない、というのが想像できたからだ。