Sさんへのメッセージ
Sさんへえらい辛らつなメッセージを送ってしまった。あまり
にも煮え切らないこと、中途半端なことに対して、いらいらが
募っていたことも起因していると思う。
すぐに返事がないことを考えると、せっかくインドまで来てく
れたのに、やはり気分を害してしまったのかもしれない。
Sさん自身が優秀なのは間違いない。でも、「情報欲しい欲し
い病」は昔と何も変わっていなかった。それが変わらない限り
、Sさんが今後成長していくことは難しいのではないだろうか
。
必要なのは「情報」ではなく、「額の裏に汗をかいて考えるこ
と」だ。どんなに情報を集めたところで、結局、仮説も課題設
定も何もなければただの情報で終わってしまう。考えるという
プロセスがあるからこそ、その情報が価値ある情報に変わるの
だ。そこをわかって欲しいのだが、こればかりは経験しないと
難しいのかもしれない。
逆にそういうことを発想すらしたことのない人に、大切なのは
情報ではなく考えることだ、と言ったところでピンと来ないの
かもしれない。そういう意味では、無駄にSさんをダメ出しし
て気分を害してしまっただけで、僕の送ったメッセージは何の
意味もなしていないかもしれない。そういうメッセージの送り
方自体がそもそも間違っているのかもしれない。
本人は一生懸命考え抜いたつもりでいるから、これまた伝わら
ないんだろうなぁ。こういうものは、「考え抜く」ってこうい
うことなんだ、というのを経験して初めてわかること
なんだと思う。
そういう意味では、僕の場合は、バーバラ・ミントの「考える
技術・書く技術」の経験が多い。Hさんに言われて、1冊の本
をA4で1枚にまとめたが、同じ作業を3回させられた。作業
した後には、これで出し尽くした、と自分では思っている。で
も、Hさんに「本当にそれでバーバラ・ミントを超えたか?」
と言われて、再度考えてみると、さらに研ぎ澄まされた答えが
出てくるのだ。たかだか本のサマライズではあったが、「額の
裏に汗を流して考える」ということがどういうことなのか、を
僕はこれで実感することができた。えらそうなことを言えるほ
ど、僕も思考は深くないが、それでも、一度こういう経験をし
たので、他人が考え抜いた上で発言しているのか、そうでない
のか、というのはなんとなく感じることができる。
なかなか人にメッセージを送る、というのは難しい。。。