希薄化するブランド

Tさんがとある商品を担当していた頃の話。例えば、取材などを
受けたときもそうだが、いろいろな人に、「トップシェアのB社
に対してどういう戦略をとりますか?」みたいなことを言われた
という。
ただ、実際にはシェアトップは自社であり、B社は2位だった。
なので、Tさんは「うちがシェア1位なのですが...」みたいに
思っていたという。ただ、この事例が示すように、世間一般のイ
メージは上記の通りだったのだ。


これは、B社が専業メーカーであり、自社がそうではないという
ところが大きい。つまり、「B社=その商品」というイメージが
できあがっている。一方、総合メーカーである自社にとって、そ
の製品は one of them でしかない。


この経験もあったので、Tさんは、商品ブランドの導入を決めた
のだろうと思う。


しかし、この事例が示すように、事業範囲が拡大するほど、その
ブランドによって想起される商品というのはどんどん希薄化して
いく。まさに自社は今、その状態に陥っていると思う。ブランド
統一化に対して感じていた違和感というのはこういうことなのだ
と思う。


これにどう対応すべきか、ということをTさんい聞いたのだが、
Tさんは、「商品力をあげるしかない」と言ってた。ただ、私と
してはどうもピンとこなかった。それでは、ブランドと商品のシ
ジーがないと感じるからだ。


総合メーカーがブランドをどう定義するか、という点においては
他社の事例を学んでみたいと思う。例えば、Nestle、Uniliver、
Philips、Seamensなど。