意見が合わない理由

ライフネットの岩瀬さんのブログの「反対の意見を持つ
人との歩み寄り方」というエントリーの中で、意見が合
わない理由、というのがあった。


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そもそも、相手と意見が合わない理由は、以下の三つの
いずれかである:


a) 判断の前提となる事実や要素が異なる(必要な情報
が共有できてない、要素が認識できてない、あるい
は誤って認識されている)


b) その事実に基づく論理構成(理屈の立て方)が異な



c) そもそも前提となる価値観・世界観が異なる


これまで出口と議論していて意見が違ったのは、大抵の
場合が「前提となる事実認識の違い」だった。
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なるほど、と思った。僕とNさんとの場合は、(a)と(b)
の場合がけっこうある。その場合はだいたい歩みよるこ
とができる。でも、(c)になってしまうと、これはもは
や歩みよるのが難しいように思う。


では、(c)の場合に何ができるか。それは、相手の価値
観・世界観を尊重すること、だと思う。そもそも周り
の人間が自分と同じ考えを持っていると考えるほうが
間違っている。相手の考えていること、思っているこ
とを尊重した上で、建設的にゴールに向かっていくこ
とが必要だ。また、そうした価値観の違いというもの
がたぶん役割の違いにもなってくるのだと思う。それ
を理解しあうことがまずは必要なはずだ。


(c)のときの回答は間違っても、「排除」であってはな
らない。これは僕自身、肝に銘じておこう。




さて、岩瀬さんおブログには以前、こんな内容もあっ
た。それは、じゃーこういう意見の対立がおきたとき
にどうするか、というものだ。こんな内容だ。そのと
きのエントリーは「ブログでの喧嘩の作法」というも
のだったが、その一部だ...。


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戦い方は(1)ファクツ(事実認識)で勝負するか、(2)
現場感で勝負するか、(3)ロジックで勝負するかの三
つしかないことを認識して、自分がどれを選ぶべきな
のかを考える。


結局、相手を言いくるめるためには、
(1) そもそもの事実誤認を正したり、新事実を見つけ
てきて相手に突き付けるか、
(2) 相手が知らない、自分だからこそ知っている現場
の話や生の声を提示するか、
(3) 相手の組み立てた論理の矛盾を追及するか、しか
ない。自分は今回、どれで戦う?


罪を憎んで人を憎まず。攻めるべきは人格ではなく、そ
の人の論であることを忘れない。
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価値観が異なる場合、そのロジックももちろん変わって
くるから、(3)という選択肢は難しい。そうなると、(1)
か(2)、ということになる。


この(2)っていうのが難しい。(1)はデータを出し、数値
上の何かが判断軸になるから結論はでやすい。(まぁ、
その判断軸は価値観によってくるが...)でも、(2)は感
覚的なもので、相手もそれを経験してくれないと、とう
てい理解してもらえない可能性がある。これはよくある
ことだと思う。ただし、そういうときに、第三者から情
報を入れてもらう、という手もある。そもそも、こいつ
の言うことはあてにはならないが、あいつの言うことな
ら一理あると考える、なんて場合がそうだろう。いずれ
にしろ、意見の相違を乗り越え、自分の意見をわかって
もらおうとするならば(1)か(2)、さらにそれを主張する
上での(3)が必要となる。