狩猟民族と農耕民族

昨日に引き続き、GRIDYの話題。稲葉雄一氏のインタビ
ューの中に面白い記事があった。


http://www.rbbtoday.com/news/20090625/60763.html


以下、その引用。


よく言われる「狩猟採集民族の欧米、農耕民族の日本
」という文化の差がポイントでしょう。日本は種を撒
いて収穫まで、一年掛けて丹精込めて良い実りを得る
、という農作業の経験からか、じっくり時間を掛けて
質を高めていくということが基本になっています。で
きたものについても、その善し悪しに対する判定は厳
しく、基本的にはまだダメな点を見つけて指摘する減
点法での評価となります。一方米国などの狩猟民族の
文化では、次に獲物がいつ捕れるか分からないのでと
りあえず食べて腹を満たす。そして、もっと捕りやす
くする為に、武器を進化させる、というアクションの
速さがあります。その上で、旨ければ高く評価する、
という加算法での評価です。日本流の丹精は、インタ
ーネット時代の“Dog's Year”と言われる時間の流れ
について行けないのですが、こうした土壌で評価され
るのはベンチャーには厳しい環境です。しかし、こう
した分析から、まずベンチャーは信用されることが何
より大切だということが分かりました。すぐに分かる
減点要因があってはダメですから、セキュリティなど
にも技術的に最善の対策を講じた上で、さらに人的要
因に対応するためにISO 27001やプライバシーマーク
取得とそれに伴う社内教育体制の整備など、「中小ベ
ンチャーに可能な最善」を尽くしてきました。


これに関しては自社プロジェクトとリンクしていると
思った。自社のプロジェクトでYプロジェクトの説明を
この前聞いたのだが、コンペティターのP社は、自社と
異なるアプローチをとっている、ということだった。
P社の場合は、多少性能が悪くてもとにかくまずは世の
中に普及させる、というのを優先させているというの
だ。世の中に入れながら、性能を高めようとしている
。一方で、自社の場合はきちんとした性能のものを作
ってから市場に投入しようとしており、そこにスピー
ドの違いがあるのだという。


まさに、狩猟民族と農耕民族の考えの違いがここにも
現れているのではないか、というのを強く感じた次第
だ。


グーグルがネットブックを中心としたOSに参入すると
いう発表があった。GRIDYとサイボウズではないが、こ
こにもイノベーションのジレンマの可能性があると思
う。