国内製造

日本の製造業の一番の問題っていうのは、規模の経済
、経験経済が有効でなくなってきているということこ
ろではないだろうか。何がそれを端的に表しているか
というと、「シェア1位であっても儲からない」とい
う状態に陥っているということだ。これまでの経験経
済の理屈で言えば、「利益を犠牲にしてでもシェアを
取りに行け!シェアを取ればコストが下がるから、利
益が出るようになる」というかけ声のもとで戦ってい
た。しかし、そのルールが成立しなくなっているのだ
ろう。


では、どうするかだ。リストラをし、モジュール化し
た製品を途上国で製造する、という転換をして戦って
いるのが欧米のメーカーだろう。これは一つの手段と
いえる。


一方で、自動車メーカーがなぜ強いのか、といえば、
擦り合わせが有効に働く余地があるからだろう。だか
ら日本の製造の強みが活かせる。その立ち居地にいれ
ばこそだ。


規模の経済を成り立たせようとするのであれば、それ
こそグローバルレベルでそれを考えないともはや成り
立たない。それが出来つつあるのが、プラズマや液晶
なんかではないだろうか。製造にインテグラルな余地
もあり、さらにそれに磨きをかけ、グローバルシェ
をとりにいくことで、規模の経済と経験経済が成り立
つようになる。


マブチモーターなんかのデバイスメーカーなんかはま
たちょっと異なる。基本的にデバイスはモジュール化
された製品と考えてよいだろう。規模の経済が成り立
つ分野といえる。


そして難しいのが最終製品を作るメーカーだろう。し
かも国内の。ユーザーの細分化、製品のライフサイク
ルの速さ、それへ対応しようとすると、規模の経済、
経験経済が成り立たない。ましてや、これが国内だけ
となると、もはや成長の余地はないといえる。


では、どうするかを考える。次回以降。