限りないダントツ経営への挑戦

コマツ会長の坂根正弘氏の著書「限りないダントツ経
営への挑戦」を読んだ。


坂根氏は社長に就任すると構造改革として以下の4つ
に取り組んだ。


(1) 「一回だけの大手術」
(2) 経営の見える化
(3) 成長とコストの分離
(4) コマツの強みを磨く


この「一回だけの大手術」についてだが、これは、希
望退職を募り、20000人の従業員の約5%にあたる1100人
に応じてもらったというものだ。


この背景にあったのは、現状分析として会社の強みと
弱みを明らかにしたときに、日本の製造コストは十分
に競争力があるということだった。つまり、日本は製
造コストが高いので競争力を失っているという一般的
な見方は分析結果からは確認できなかったのだ。


では、どこに問題があるかというと、それが固定費だ
ったということだ。そしてこの固定費の高さをなくす
ために希望退職を募ったのだ。


これはまったく、同じ問題をうちも抱えているといえ
る。結局、それしか解決方法はないのか、というこだ
。おそらく他にもいろいろと検討したはずだ。でも、
リストラというのが最も効果が大きいものだったし、
それ以外は小手先の改善にしかならない、という結果
だったのだろう。でも、どういうプロセスで最終的に
そうした意思決定にいたったのか、そこは多いに学べ
る部分があると思う。


でも、本当に他にやり方はなかったのだろうか。結果
から考えれば正解ではあるのだが...。


それと、坂根氏に質問があるとすれば、どの時点から
問題意識を感じ、どの時点でどういう準備をしていた
か、ということだ。つまり、構造改革の方針を出した
ものの、それは社長になったから出てくるというもの
ではない。やはり、それ以前に問題意識を感じ、それ
に対して何をすべきかを考えていた、という準備が
あったからこそだと思う。その当たりについて聞いて
みたい。