強みを測る

ドラッカー氏の「チェンジリーダーの条件」を読んだ
。Nさんとの読書会に備えてだが、それでも、さすがに
3回目ともなると、言わんとしていることが伝わって
くる気がする。


以下、気になった内容だ。情報をどう活用すべきか、
というところだが、いったい「強み」をどう測定する
か、という点だ。


『リーダーの地位に必要な強みとして、「何をすでに
もっているか」「あるいは何を手に入れなければなら
ないかを、いかにして知るか」「自らの強みが、向上
してるか低下しているかを、いかにして知るか」「自
らの強みは、現在でも適切か、いかなる変化が必要か
を、いかにして知るか」』


これをうちのリーダーたちに質問したらどうなるだろ
うか?そもそも、自分たちの強みを曖昧なままにして
いるから、自分たちの強みが向上しているのか、低下
しているのか、すらの判断がつかないのだと思う。
でも、どうやって自分たちの"強み"を知ればいいのか
? テーマ数?ステージアップ数?売上?研究開発費?
研究者の声?学会発表?特許?


スウェーデンの医薬品メーカーとアメリカの特殊工
作機械メーカーが、強みを測定し、管理するための手
法を開発している。そのためには、自社および競争相
手の仕事ぶりを丁寧にフォローし、予期せぬ成功を見
つけ、さらには、当然成功するはずだった領域での予
期せぬ失敗を見つけることである。予期せぬ成功は、
市場が評価し、支払いを行ってくれるものを明らかに
する。それは、リーダーの地位を得るうえで必要な優
位性の存在を教える。これに対し、予期せぬ失敗は、
市場の変化や自社の強みの後退を示す最初の兆候を教
える。これらの分析は機会の存在をいち早く教える。



予期せぬ失敗、つまり、自分たちがうまくいくと思っ
ていたのにうまくいかなかったというのは何かが間違
ってた、ということだ。そもそも強みが間違っている
可能性がある。予期せぬ成功はチャンスを示す。自社
にとってそれは何か?
例えば、Nは予想通りの成功か、予期せぬ成功か?Jの
成功は予期せぬ成功だし、失速は予期せぬ失敗だろう
。Hの強みが弱くなっているということを示している
?じゃーどうするか。


『強みは企業によって異なる。それはいわば企業の個
性である。しかし、あらゆる企業、さらにはあらゆる
種類の組織がもつべき共通の強みというものがある。
すなわちイノベーションの能力である。あらゆる組織
イノベーションに関わる自らの業績について記録し
、評価するためのシステムを持たなければならない。
一流の医薬品メーカーはすべてそのようなシステムを
もっている。それらのシステムは自社の仕事ぶりから
はスタートしない。一定期間における業界全体のイノ
ベーションの実績を調べる。そして、「それらのイノ
ベーションのうち、本当に成功したものはどれか」「
それらのうち、わが社のものはいくつか」を調べる。
次に「わが社の実績は、当初の目標に見合っていたか
」「市場の方向性に合致していたか」「市場地位に見
合っていたか」「研究開発費に見合っていたか」を分
析する。さらに、「わが社が成功したイノベーション
は成長力や機会が最大の分野におけるものだったか」
「逸してしまった重要なイノベーションの機会は、ど
のくらいあったか」「なぜそれらの機会を逸したか」
「気がつかなかったからか、気付いていながら手をつ
けなかったからか。本気で取り組まなかったからか」
を検討する。そして最後に、「わが社は、商品化にど
のくらい成功したか」を問う。これらは客観的な測定
ではなく、主観的な評価を求める。しかも新たな問題
を提起する。正しい問題を提起する。』


ここはすごい共感できる部分だ。どうしてNはKででき
て、うちでできなかったのか。そこを問わない限り、
とがったアイデアの出現率は高まらないと思う。どう
やったらそうした尖ったアイデアが出せるようになる
か、それがマネジメントの一つの仕事といえるように
思うのだ。


『すべての投資案件についてもたらすべき成果に期限
を設けなればならない。いつまでに、何を期待するか
を明らかにしておかなければならない。「大成功だっ
たか」「一応の成功だったか」「少々の失敗だったか
」「大失敗」について分析しなければならない。』


きわめて重要だと思う。あらゆるものについて、どこ
かのタイミングで絶対にやるべき。そのタイミングが
重要。そのときどきで評価は変わる。でも、やらない
と次の意思決定ができない。「商品を出せばいい」と
いうがもちろん、出したことは成功だ。でも、商品を
出しても大損したビジネスっていうのはあるはずだ。
それは大失敗と位置づけられるのでは。予期せぬ失敗
か。