枯れた技術を生かす

ハイテクの技術を持っていない会社にとっては現有の
技術をどれだけ生かせるか、というのが一つのキーに
なってくる。言い方を変えれば、「枯れた技術を生か
す」となる。かつて読んだ本で言えば、ローム、任天
堂なんかがその部類に入るのだと思う。


ハイテクを追っている、というのは基本的には、明ら
かに次の大きな島になるであろうものをひたすら競争
しながら目指す、という状態だ。従って、トップダウ
ンの指示の元、一丸となりその方向へ向かって走れば
いいのだ。


一方でそうでない企業はどうしたらいいか。ひたすら
現在ある技術が何かに使えないか、徹底的に考えない
といけない。そのめには日常的に"アイデアを出す"と
いうのが一つの重要なタスクとなっていなければいけ
ない。でないと、いざ何もなくなってさぁアイデア
出せといわれても決して出てくることはないだろう。


では、そのアイデアを出すためにはどうしたらいいだ
ろうか。その仕組みはみんなで蓄積していったらいい
と思う。例えば、ブレストのやり方とか顧客とのコミ
ュニケーションとか判断ポイントとか、優先順位のつ
け方とかだ。それらがある種ツールになっていけばい
い。


そうやって出てきたアイデアが活かせる分野っていう
のはどうしてもニッチにならざるをえない。


例えば医療分野なんかはこういうのがまだまだいかせ
る分野だと思う。生体材料や遺伝子治療といった、テ
ノロジーのロードマップにのった分野とは別に、も
うちょっとここを変えたらいいのに、というような課
題がいっぱいあるはずだ。そうやって様々なニッチ分
野を解決していくことで医療分野でのプレゼンスを高
めていくことができるんだと思う。


でも、そこで必要なのは、3Mにとっての粘着技術の
ようなコア技術だ。


商品Gなんていうのは、従来品に比べて、「ちょっと
いいよね、これ」というような商品だ。そういうのを
2、3人でやる、という開発体制も問題ない。でも、
唯一欠けているのが一貫性なのだ。