内定者へ

この前、OB懇談会に行ったときに話した子から、うち
に就職を決めました、という連絡がきた。とても優秀
な子なので、「本当にいいのかぁ」とは思ったが、た
ぶん本人も十分考えてのことだと思う。


ちなみに、OB懇談会のときも、「他の会社をたくさん
見てください」としか言わなかったんだけどなぁ。


で、そんな彼に送った言葉。少し長ったらしいが。

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■ 一生(定年まで)働くつもり
この会社で定年まで働こうとすれば、35年ぐらいの時
間があります。それぐらいの長期的目線で見てみると
、「本当にこのままでいいの!?」というようなことが
たくさん見えてくると思います。(普通に毎日サラリ
ーマンやっているだけじゃ絶対に見えてきません。)
そうした長期的・俯瞰的な目線は自分自身の現状の目
線を引き上げ成長を促してくれます。ある意味、「自
分が社長だったらどうする」というような考えを常に
持つようなものです。
同期の仲間をみたときに、「みんなと仲良くしよう」
というようのは新入社員の視点です、でも、「この同
期をどうしたらもっと成長させられるか」と考えるの
はちょっと目線が違いますよね。


ちなみに松下幸之助さんは、250年計画で松下という会
社を考えていました。


■ 明日やめるつもり
一方で、明日にでも会社をやめられるだけのスキルを
常にもっていましょう。それは、転職活動をしたとき
に今より高い給料で雇ってくれる会社が常に存在して
いる、ということです。他社からも内定をもらってい
る今はあまり実感がないかもしれません。でも、大企
業に入社して10年も経つと、9割以上の人がそれができ
なくなります。給料を下げる転職は誰でもできます。
この会社においてももちろんそうです。
「やめる」という選択肢を常に持ち、「会社」をあく
までそうした自分が成長するための手段とみなせば、
会社に染まらずに済みます。
「会社」とはそれに染まれば染まるほど、自分のやり
たいことはできなくなるし、ましてやお客様からは遠
のいていくばかりです。
それと、イヤならやめればいい、と開き直れれば、ス
トレスなく仕事ができますしね。


でもこれらは、前者だけでは、その会社でしか通用し
ない人間になってしまうし、後者だけでは、ただのジ
ョブホッパーにしかならないでしょう。大切なのは、
こういう視点を常にバランスよく持つことです。


まぁ、こうした意識を持っていろいろ頑張っても、30
才までは目立った差はつきません。でも、40才になる
と、意識していたかどうか、努力していたかどうかの
怠慢のツケがやってきて、ガクンと人生の歩みにブレ
ーキがかかります。
しかし、広い視点で確実に努力した人は、年を重ねる
ごとに周囲がその人を必要とするようになります。

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