高付加価値への叫び

とある人がブログで付加価値の高い商品へのシフトを
声高に叫んでる。


大丈夫だろうか...ととても心配になる。


途上国がキャッチアップしてくる、という、そしてそ
れが2015年だとしたら今スタートしないとやばい、と
いう...。この認識力大丈夫かしら。


そもそも途上国とはどこを指して途上国といっている
のだろうか。もはや、中国のBYDはリチウムイオン電池
で世界3位だし、08年12月には世界初のプラグインハイ
ブリッドカーを発売した。鉄鋼最大手のミタルスチー
ルは元々インドの会社だ。さらには、日本のメーカー
だとしても製造は全て東南アジアで販売のインターフ
ェースだけを国内にもっているというのは途上国なん
だろうか。さらにはいったいどの事業の何が何の根拠
で2015年にやばくなるといっているのか、もうとっく
にやばくなっているだろう。


そして、「高付加価値」というものの自分たちのとっ
ての「高付加価値」が何なのか言っている本人すらわ
かっていない状態だろう。シャープ、NEC、パナソニッ
ク、みんな"高付加価値"携帯で中国に参入し、いずれ
も今は撤退している。日本では"高付加価値"携帯の結
果、ガラパゴス化なんて呼ばれているわけだ。


また、この前日経に東大の藤本隆宏氏の話がのってい
た。化学メーカーは精密化学にシフトすることで、コ
モディティ製品からの脱却をはかったという。要は、
化学を広い意味で捉えれば高付加価値の余地があった
といえる。


さて一方でどこかの会社の話だ。高付加価値とはいっ
ても、その製品のその余地があるのか、もしくはまっ
たく別のブルーオーシャンに乗り出すのか、それがな
ければ高付加価値も出しようがない。


また低収益事業をやめろ、やめろ、というが他にメシ
の種がないのだからやめようがない。他のメシの種を
示して初めてそれが言えるわけだ。高付加価値を生み
出せ、ではなく、トップがそれを示さなければ決して
出てこないだろう。