おくりびと

おくりびと」を見た。あまり期待はしていなかった
のだが、とにかく見ているうちのどんどん引き込まれ
ていった。もっと淡々と話が進んでいくのかと思って
いたが、笑えるポイントが散りばめられていた。


それにしても、配役が素晴らしかったと思う。もっく
んにしても、山崎努にしてもすごくいい味を出してた
。なんといっても広末涼子がよかった。女優として一
皮むけたなぁ、という印象をもった。


人それぞれ「死」の捉え方はある。養老孟司氏の言葉
を借りれば、一人称の死、二人称の死、三人称の死と
あるが、まさしく二人称の死とどう向き合うかという
ことにつきるのではないだろうか。自分の祖父母がな
くなったときのことを映画をみながら思い出した。そ
れと、決して死は忌み嫌うべきものではない、もっと
別の捉え方があるものだ、というのを感じた映画だっ
た。


話は少し変わるが、葬式ということに関して、ハウス
セレモニーのビジネスについて話を聞いたことがある
。学生のときにベンチャーのビジネスコンテンストを
見にいったのだが、そのときにサンクチュアリの直江
氏がハウスウェディングのビジネスモデルを語ってい
た。その内容は、人生様々であるにも関わらずその最
後のときは、それこそ誰が新でも同じような祭壇で同
じような内容にしかならない。本当にそれがあるべき
姿なのか、というものだった。彼がやろうとしていた
のは、亡くなった人の好きな写真を置いたり、好きだ
った音楽を流したりして、その人に触れられるような
その人の生きた証を残せるようなそういうハウスセレ
モニー、なのだ。そのきっかけは、直江氏が自身の彼
女を亡くしたときに、その彼女の葬儀で、彼女の人格
もなければ思い出もない、形式だけの葬儀に納得がい
かなかったのだという。


一方で、そのときの審査委員だったドリームインキュ
ベーターの堀氏が興味深いことを言っていた。堀氏自
身も奥様を亡くされた経験を元に、ベルトコンベアみ
たいに淡々と葬儀が進んでくれたから僕は救われたと
言っていた。要は、最愛の人を亡くしたときに、とて
もじゃないが他のことは考えられない。だからこそ、
淡々と形式通りにやってくれてそれでよかったのだと
いう。ある意味、サンクチュアリのビジネスをきれい
事かのような言い方をしていた。


それから5年近くがたった。サンクチュアリのwebサイ
トを探したのだが、見つからなかった。でも、まだ
ビジネスは続いているのだろうか。