セコムとコナミ

セコムとコナミには共通していることがある。それは
、どちらもモノづくりはするし、技術開発をする、で
も、工場をもたない(たぶん)、マスプロをしない(一部
異なるが)、という点だ。


セコムであれば巡回ロボットなどを作ってはいるが、
あくまで人による警備を保管するという位置づけだ。
そしてロボットはおそらくレンタルをしたり、もしく
はサービスの一部で所有はセコムだったりするはず。
決して、ロボットを一般販売して儲けようという考え
はない。


コナミにしても、運動器具を自社開発している。ただ
し、それらは外販せずに自分たちのKONAMIスポーツク
ラブのコンテンツとして利用している。スポーツクラ
ブも機器に目新しさがなければ、そのうち飽きがくる
。そうさせないために機器開発は必要だ。でも、あく
まで自分たちのサービスの一部としているため、コス
ト的な制約はあまりないはずだ。


要はどちらもモノづくりをしているのだが、それ自体
から儲ける仕組みになっておらず、別に儲かる仕組み
があり、それを補完する位置づけとなっているのだ。
だから、たぶん、両社とも工場はもっていないはずだ
。量産して規模の経済を目指す必要はないのだ。だが
、だからといって、そのモノづくりが中途半端かとい
うとそういうわけではない。しっかりとしたR&D体制
があるように思われる。


でも、別に儲かる仕組みがあるからといって、モノづ
くりをしなくていいか、といえば決してそういうわけ
ではない。こうした活動があるから他社との差別化が
できるのだろう。


この特徴的な2社の業績を調べてみた。セコムは、08
年度で売上高6826億円、経常利益1142億円、経常利益
率16%。コナミは08年度で売上高2974億円、営業利益
338億円、営業利益率11%。いずれも、高収益だ。総合
電機とはえらい違いだ。




さて、別の話。
Sさんが作業している横で会議をしていたので、いろい
ろと耳に入ってきた。「俺らはリスクとってやってい
るのに、事業部はなぜリスクとらんのだ」といってい
たが、いったい何をリスクとっているというのだろう
か。会社の金でやりたいことをやっていて、どこにリ
スクがあるのだろうか。事業部のリスクはそれが収益と
して成果に直結するわけだからそれこそリスクだろう。
でも、研究所はSさんのそれ自体が直接成果に反映する
わけじゃないのだからリスクなんかではない。
結局、Sさんも商品を出すことに価値を見出しており、
それが売れるかどうかまでは責任をもとうとしない。
俺らは技術やるから後のビジネスはそれを引き受けた
ところが責任もってやってくれ、という態度だ。それ
はやっぱり違う。でも、やれビジネスモデルやなんや
らの話はたくさん出てくるものの、お客様というキー
ワードが会議の中で一切なかった。原点にもどらない
といけない、というのはこういうことをいうのではな
いだろうか。