ブレーンストーミング術

HBRの2008年8月号に、「マッキンゼー流ブレーストー
ミング術」という記事がのっていた。


以下、メモ。


制約があるからこそ創造性は高まる
「二十分以内に新規事業のアイデアを出してほしい」
と言われて、あなたならば、どうするだろうか。所与
の課題があまりに広範で漠然としているため、どだい
無理だと考えてしまうかもしれない。我々は、このよ
うに具体的とはいえない課題に直面した時、最初から
努力しようとせずにギブアップしてしまう人たちを数
多く目撃してきた。
では、質問の内容を絞り込んだらどうだろう。
「<ローラーブレード>、<ハーゲン・ダッツ>アイ
スクリーム、映画『スパイダーマン』に共通するもの
は何か」
その答えは、いずれも事業コンセプトが同じであるこ
とだ。この場合、子どもが大好きなものを大人向けの
高級なものにつくり替えているという点である。


画期的なアイデアを欲している時、「箱の外側」、つ
まり既存の枠に縛られることなく考えろとも、また「
箱の内側」、つまり既存の枠のなかで考えろとも言わ
れない。我々は「新しい箱」を用意し、そのなかで物
事を考えるように指導しているのだ。


管理職や専門職には、箱の内側で名案を考える能力に
優れた人が多い。彼ら彼女らは常に制約を受けている
ため、無意識のうちに、限られた範囲内で、代替を探
したり、またあれこれ組み合わせたり、並べ換えたり
している。


我々の経験から申し上げれば、一定のルールに基づい
て思考範囲をある程度限定すると、人はあらゆる可能
性を賢く模索し、名案を次々に考え出し、素晴らしい
発想に至る。しかるべき制約を設けることは、よい質
問を投げかけることでもある。


具体的なアイデアを次から次へと引き出せずにいるマ
ネージャーは多い。それは、ありきたりな二つのテク
ニックを採用しているためである。まず一つは、自然
体で、常識にとらわれず考えてみるよう、部下たちに
はっぱをかけることである。もう一つは最新のデータ
分析ツールを使っていたとしても、その中身は既存の
市場データや財務データ、または調査会社に依頼した
データといった、ありきたりの情報であるということ
だ。前者について言えば、議論のルールや段取りがは
っきりしない抽象的なブレーンストーミングが得意な
人など、まずいない。


進行役はたいてい、「間違ったアイデアなど、ありま
せん」と言うが、かえって混乱を招くだけである。何
らかの目安がなければ、最初に決めた方向に従って議
論を深めるべきか、それとも一から方向を考え直すべ
きか、その判断は難しい。不確実性にうまく対処でき
ず、思考停止に陥ってしまう。


適切な質問を与えれば、アイデアが流れるように出て
くる。


自分が本当によいと思える新しいビジネス・アイデア
に出会った時は、必ず「どのような質問がきっかけで
、自分は最初にこの機会を見出すことができたのか」
と自問自答し、独自のリストを作成するとよい。


「悪いアイデアなどない」というわkで、「ガソリン
の代わりになる格安の丸薬を発明してはどうか」など
、非常識な夢物語に時間とエネルギーが浪費されてし
まう。


予算や人員、時間の制約を考える限り、およそ実行不
可能なアイデアが提案されることもよくある。斬新な
イデアを模索しているにもかかわらず、段階的な改
善策が提案されたりすることも多い。このような事態
はもれなく、ミーティングの前にアイデアの評価基準
と範囲をはっきりさせておけば、容易に回避できる。
求めているのは、斬新なアイデアなのか、それとも失
敗しない確実なアイデアか。予算はどれぐらいか。会
社は何人くらい用意するつもりなのか。投資の回収に
要する期間はどの程度か。


斬新なアイデアを創造させる質問と、低リスクで妥当
なアイデアを引き出す質問とでは、おのずと表現は異
なる。


介護施設の高齢者たちがベビー・フードを食べていた
ということだった。


斬新敵なアイデアなのか、それとも段階的な改善策な
のか、予算はどれくらいなのかなど、あらかじめわか
っていることをはっきり説明しておく。かえって創造
性に足かせをはめてしまうのではないか」という心配
は無用である。創造性を引き出すのは、まさにそのよ
うな制約、すなわち「新しい箱」なのだ。参加者を少
人数のグループに分けたら、かなり絞り込んだ課題を
一つ与える。


イデアの取捨選択はけっして後回しにせず、その場
で決着をつけることが肝心だ。




これを読んで思うのは、どんなアイデアが出てきたと
してもリーダーがそれをどう捉えるかということにつ
きるのではないだろうか。斬新なアイデアが出てきて
もリーダーがそれを入れる箱をもっていなければ、た
だのアイデアで終わってしまう。要リーダーがどれだ
け大きな視点でどれだけ様々な切り口をもてるか、と
いうことだと思う。


リーダーのスタンスとしては、自分で思っていた通り
のアイデアしか出ないか、まったく違う切り口が出て
くるのか、空白を埋めるのか、やっぱりそのスタンス
が必要なのではないだろうか。