タタ・モーターズ

インドのタタ・モーターズが4月から10万ルピー(約19
万円)で低価格車「ナノ」を発売開始すると発表があっ
た。


このナノは破壊的イノベーションとなるだろうか。シ
ンプル、低価格、ノンカスタマー、と破壊的イノベー
ションの条件を十分に満たしている。順番は逆になる
トヨタはレクサスという高価格帯へのシフトに動い
た。まさにイノベーションのジレンマの本を読んでい
るような感覚を覚える。でも、これからの長い長い戦
いの幕開けにすぎない。


さて、このようにドミナントデザインが確定し、コモ
ディティ化したビジネスのイノベーションっていうの
は基本的に破壊的イノベーションになるのではないだ
ろうか。


にも関わらず、既存商品の企画が何を考えるかという
とその商品の高機能化だ。乗っているだけで健康にな
れる車、テレビも見れてお金も払えてカギにもなるケ
ータイ、髪も乾かせる扇風機。


でも、これも何が正しいというようよりは片方に振れ
ると逆にも振れる、と考えたほうが正しいのかもしれ
ない。例えば、ドライヤーなんていうのは、ずっと小
型化、静音化、低価格化で勝負していたのだが、ある
ときから、マイナスイオンなどの機能がつき、髪に艶
を、というような軸での競争となっている。


だから、どちらが正しい、ということではない。でも
そのどっちの方向にいくかの見極めが本当に正しいの
かどうかというのは問い続けないといけない。


今日は、2018年の商品構想の発表会があったようだ。
どんだけ進化するの、というようなアイデアで満載だ
ったという。そういうときこそ視点を変えてみよう。
自分がインド人だったらそれが欲しいかどうか。まず
はインド人になりきれることが必要だけど。