研修の提案
先輩のOさんが選抜された人だけがいく研修に参加して
いる。その中では、主にMOTについて学ぶ。まぁ、これ
までのような機能的価値ではなく意味的価値をもたせ
ないといけませんよ、とか、ものづくりにはアーキテ
クチャがあって、というような内容の講義を1年かけて
受けるのだ。
その最後に4〜5人のグループになったケーススタディ
を行う。これは実際に自分たちで、与えられた事業ド
メインに対する新規ビジネスプランを考え、そこのド
メインの社長に対してプレゼンをする、というものだ
。
そんなわけで、Oさんも一生懸命取り組んでやってい
る。ただ、その条件が3年以内に事業着手できるもの
、というものだ。そういうこともあり、それぞれの
グループが、「こんな商品」、「あんな商品」とい
った形で提案してくる。
果たしてこれで未来の変革を担うような人材が生まれ
てくるだろうか。結局、講義で、これまでのアーキテ
クチャではダメですよ、イノベーションを起こさない
と、ということを聞いても、結局最後の締めの活動が
既存機能の延長線上のような提案、要は新たな機能、
新たな製品、というものになっては、それまでの学習
が意味をなさなくなるのではないだろうか。
こういうところから現実にプロジェクトが生まれたり
もするらしいのだが、でも、評価する側が既存事業の
枠組みの中でそれに貢献するか、という観点でみるの
では突拍子もないオモロいアイデアは決して出てこな
いだろう。
それよりもこうした新規事業、新商品のケーススタデ
ィはもう少し若い世代にやらせたらいいように思う。
本当に経営幹部を育てたいと思うのであれば、それこ
そ、どうやったら既存事業を駆逐できるか、とか、ど
うすればインドでの事業No1になれるか、とか、そう
いう観点でものを見れるようにならないとダメではな
かろうか。
Nさんはこの研修で大きく成長したと思う。果たしてO
さんはどうだろうか。