息だけしとけ

とある部門の話。業績悪化に伴い、予算の削減を繰り
返してきたが、とうとうゼロベースだ、ということに
なった。そこで経理担当の方が、既にかなりの予算を
削減しております。ゼロベースにするというのは、対
外的にも何も活動をしていないような印象を与えます
、というようなことを進言したらしい。


そこでそこのトップから返ってきた言葉が、「息だけ
しとけ」だったという。経理担当の方は、責任者の方
々に「息だけしとけ、という厳しいご返事が返ってき
ました。」というメールを流してくれたみたいです。


こういうことを口走ったときに、組織の人間がどう感
じるのか、ということをどうして想像できないだろう
。マイナスの効果はあっても、間違いなくプラスの効
果はないはずだ。感度が低すぎる。ましてや目先の収
支しか頭になく、部下に対して、「君の将来なんか知
ったこっちゃない、重要なのは今の業績だ!」なんて
態度をありありと出している人間に対して誰がいいア
イデアなんか持っていくだろうか。


内田和成氏のブログに、品川女子学院の漆校長の話が
あったのだが、「人が動かない理由は4つ、?(やり
方を)知らない、?責任取りたくない、?面倒くさい
?リーダーが嫌い」という記載があった。
とても納得。特に?のリーダーが嫌い、人間、考え方
は変えることはできるが、感情は変えることができな
い。もしかしたら、この部分っていうのはかなり大き
なウエイトを占めるのではないかしら。


さてさて、そんな発言も業績の悪化によるところも大
きい。まだまだペーペーの僕にとっては、業績が悪化
して会社がギスギスする、というのはこれまでの好況
のさなかでは経験することはなかった。いろいろな問
題があっても、業績自体が伸びているから顕在化しな
い、という状態だったと思う。そういう意味でいうと
、今回の不況はこういう状態を経験する、という意味
でもよいのかもしれない(ポジティブに考えれば)。


でも、悪いときというのは不思議なもので、この先も
どんどん悪くなるとしか思えないし、決して希望の光
は見えてこない。そういうもんなんだと思う。


まぁ、うちの会社でいうと、会社がまだ安定してたと
きに放置しておいた問題がさらにこの不況で追い討ち
をかけているという状況だから、世の中の景気以上に
問題は深刻だとは思うが。


やっぱり大切なのは、好調のときにいかに問題点を見
出すことができるか、また不調なときにいかに希望を
見出すことができるか、それにつきるのはないだろう
か。


二律相反実現ってところですね。