GDP連動

方針発表のときにニュースを記事を出して、現在の経
済状況を説明していた。トヨタ赤字、日産赤字、日立
赤字、パナソニック赤字、これだけ状況は大変なんで
すよ、と。さらに日経平均株価と為替レートの変動を
出して、株価はこんなに下がりました、円高がこんな
に進んでいます、と。


で、何が言いたい?周りはみんな赤字だからうちも仕
方ないよね、とでも言いたいのだろうか。まぁ、こう
いう大変な状況だから、頑張りましょう、と言いたい
のだろうけど、そんなことわざわざトップが時間割い
て言わなくてもニュース見ていれば誰でも知っている
ようなことばかりだ。そもそも日経平均株価を示す前
に自社の株価の変動でも示してみたらどうだろうか。


例えば、例として出す企業をちょっと変えるだけでも
視点は大きく変わるのではないだろうか。例えば、花
王、ユニクロ任天堂、こうした企業はこういう経済
不況の中でも業績を伸ばしているのだ。


なぜ業績を伸ばすことができるか、自社はなぜできな
いのか、そういうことを訴えたほうがいいのではない
だろうか。


また、上記にあげたような自動車や電機とは根本的に
ビジネスモデルが違う。そもそも、今回赤字に陥って
る大企業は、輸出主導型の事業モデルだ。そうした企
業との海外売上げ高比率を比べてみたらいい。特に北
米とか。そうなると、それらの企業と同じ目線で経済
を見ようとすることも正しくはないはずだ。


現に、今回の経済不況であっても自社は赤字にはなら
ない模様だ。まだ予断は許さないが。それがいいこと
なのか、悪いことなのか。経済不況に陥っても、それ
に耐えられるだけの事業を持っていることはいいこと
だろう。一方で、外需への依存がほとんどないから、
輸出のダメージが少ないともいえる。これはそれだけ
グローバル化が進んでいない証拠だともいえるのだ。
直近の業績だけみれば、安心要素だが、長期的成長を
考えた場合は、お先真っ暗だろう。


そもそもGDPと連動した業績しか出せていないところに
変革の余地がある。もちろん、企業である以上、何か
に売上げ高は左右されるだろう。しかし、単純にGDP
比例し、GDPが伸びたら業績も伸びます、GDPが下がれ
ば業績は下がります、であったら、長期的な国の成長
が見込めない以上、それとともに衰退していくしかな
いのだ。そこに目を向けよう。海外に出るのも一つの
手段。そして、内需依存型でもその中で、GDPに連動
しない企業から学ぶのも一つの手段。やり方はいくら
でもある。うちの業績はGDPと連動しています、じゃ
しょうがないだろう。せめて判断がほしい、それで
いいのか悪いのか。また悪いとしたらどうしたいの
か。それをいつまでにやるのか。その結果どうなるの
か。そこまで示しての方針発表じゃないのかな。