カッター非常事態宣言

とある工場でカッター非常事態宣言が出されたという
。一体何かというと、工場内で作業中にある人が、誤
って手をすべらせて手を切ってしまったという。幸い
大事には至らなかったが、出血がかなりひどくなかな
か血がとまらなかったという。


それ以前からカッターの取扱いには注意しましょう、
というお触書は出ていたのだが、それを受けて非常事
態宣言が出たらしい。どうなったかというと、基本的
には作業着に携帯しているカッターは全て没収。個人
所有のものは自宅に持って帰り、会社のものは部署で
一括管理するとのこと。確か使用時に許可願いまでは
いらなかったかもしれないが、使用時に手袋をして安
全対策をすることが義務付けられた。


別に安全を軽視するつもりはない。でも、「非常事態
宣言」の使い方はどう考えても間違ってるだろう。こ
の経営環境の厳しい中、ましてや将来への成長もまっ
たく見えない状況でもっと考えないといけないものは
たくさんあるはずだ。いったいトップは何を考えてい
るのか。さらに言えば、こんなことでいちいち非常事
態宣言なんて発動すべきではない。そんなものをいち
いち乱発していたら従業員の感度が鈍るだけだ。本当
に非常事態となったときに非常事態でなくなってしま
う。


もう一つ。どうしてこうなんでもかんでも管理しよう
とするのか。そもそも、カッターなんて家に帰れば、
誰でも日常的に使っているものだろう。そもそも、手
袋着用を言い出した人間は、家でもカッターを使うと
きに手袋をつけているのか?つけているわけがない。
それにも関わらず、大の大人を子どものように扱うの
は人に対するリスペクトがないという証だろう。さら
には「安全、安全」というけど、結局は、従業員の安
全を守るのではなく、会社で怪我をされて労災などで
会社に迷惑がかかることを防ぐ、という目的のために
「安全、安全」といっているのだ。それにも関わらず
従業員満足度なんてことを言っているところが、す
ごく偽善的でイヤなのだ。