社長は忙しい

そもそも社長なんかになったら忙しくて勉強なんかで
きないだろう。しかも、意味のある忙しさならともか
く意味のない忙しさがどっと押し寄せてくる。会社の
代表として○○会の新年会に参加したり、お客様懇親
会で挨拶したり、協賛のスポーツ大会で賞品授与に行
ったり、○○協会の表彰式で賞状を受け取ったり...。
どれも重要ではあるが、まったくもって本質ではない
。一番重要な意思決定の仕事のほうがむしろ合間の仕
事にもなりかねない。


要は本来一番学ばなければいけない人間に、学ぶため
の時間がないのだ。そうなると、過去の遺産の上で意
思決定を行うことしかできないのだ。もちろん仕事を
しながらも成長もあるのだが、深い学びの時間という
のは絶対に成長には必要である。それが社長になると
本質的ではない仕事ばかりが増えてそれができなくな
るのだ。


たぶん、これがHさんが昔言っていたことなんだと思う
。昔、Hさんに「なんで社長にならないんですか?」と
聞いたときに、「余計な仕事ばかり増えるからやりた
くない」と言っていた。その当時は"余計な仕事"とい
うものにピンとこなかったが、今はなんとなくこうい
うことなのかな、と思う。


これの解決方法が会長という役職ではないだろうか。
これは権限をどう持たせるかというところにもあるが
トヨタなんかは会長が財界活動を行い、社長が実務
の意思決定を行う、という点で役割が決まっているよ
うに思う。やはり、いくら社長が会社の代表であると
いえども、本来の役割である意思決定者として役割が
果たせるようななんらかの仕掛けが必要だろう。


「仕事を減らそう」なんて一生懸命言うのはいいのだ
が、そういうところで、自分自身の問題意識に対して
どう行動したかなんて具体例を出せばもっと説得力は
高まるのになぁ、と思うわけだ。


でも、これって社長に限らず、ヒエラルキーの中で働
いてる人たちには誰にでも当てはまることだと思う。
ヒラよりは課長のが課長よりは部長のが段々忙しくな
っていく。一方で時間があり余っているヒラのときは
勉強などせず遊びまわっており、課長ぐらいになって
危機感を覚える、というような感じだろうか。うちの
会社なんていうのは、まさしく一般論が当てはまるよ
うな典型的な会社といえる。