マンドラ&マヒンドラ

たまっていたHBRを読んだ。12月号に、インドのマンド
ラ&マヒンドラグループCEOのアナンド・G・マヒンドラ
氏の記事があった。さまざまな話が印象に残ったので
備忘録で。


○スイカの話
グローバル化する際は自国市場とグローバル市場のバ
ランスを図ることが大切。パラと呼ばれるゴア州内の
小さな村おはおいしいスイカの産地として有名だった
。当時はここのスイカを買いにわざわざ遠くからやっ
てくる人がいるほどで、それはそれは特別なスイカ
った。さてそのスイカには知られていない事実があっ
た。ここのスイカで特においしいものは、お客の口に
ではなく、村の子どもたちの口に入っていたのである
。この村ではスイカを収穫すると、村の子どもたちに
好きなだけ食べさせていた。ただし、一つだけ条件が
あった。それはその種をけっして投げ捨ててはならな
いというものだった。子どもだちは種をすべて回収し
そして翌年その種からまた素晴らしいスイカが育った
のだ。しかし時代が代わり、スイカの値段が高くなっ
たことで、村人たちの関心はおいしいスイカをつくる
ことから金を儲けることに移った。そしてそれまで子
どもたちに与えていた最高級のスイカもすべて売り物
に回し、その結果利益は大きく伸びたが、スイカの味
は落ちてしまった。いまはパラはスイカの名産地では
ない。つまりは国内市場をなおざりにしてグローバル
市場で戦うことはできないということ。


○インドの製造
「インドは世界で最もつつましくエンジニアリングを
実現できる国」です。ただし、インドで追求すべきは
、最低水準の生産量当たりコストではなく、最低水準
イノベーション当たりコストです。インドの労働市
場への参入を喜んでお手伝いします。ただしインドは
労働力を搾取する場ではなく、知力を搾取する場です


IDEO
私が目標にしているのは、デザイン企業のIDEOです。
IDEOコンサルタントたちは、顧客を何時間も観察し
て-たとえば床に掃除機をかけるところなど-その結果
掃除機の機能や経常について膨大な数のアイデアを生
み出します。こうした顧客の観察から生まれた製品や
サービスは奇跡を起こします。


もはやステレオタイプのインド観ではインドでも生き
残っていけないだろう。インドの企業がイノベーショ
ンを思考するのに、日本の企業がそれを思考しなけれ
ばいったい何を強みに参入するというのだろうか。会
社一つ買ったといってもただそれだけの事実だ。買収
だけで成長はできない。