グローバル化のために

トヨタが59年ぶりに今期赤字に陥るという。まさに未
曾有の経済状態といえる。SONYなどの海外売上比率の
高い企業も大打撃を受けている。


翻って自分の会社。幸か不幸か、どんなにグローバル化
を叫んだところでドメスティックな企業だから、そこ
までの打撃は受けていない。まぁ、別の危機はたくさん
あるが。


でも、海外売上げ比率の比重があがり、名実ともにグ
ローバル企業となってしまうと、その後の経営という
のは非常に難しい。要はフロンティアがないからだ。
ドメスティックな事業であれば、例えば技術的に成熟
していたとしても、まだ海外というフロンティアが残
されている。つまり、そのためにどうすれば、という
のを考えることができるのだ。


一方で、海外売上げ比率の高い企業というのは、それ
こそ本当の競争にさらされる。とにかくそこで生き残
るしかない、という状況になるのだ。だから、パナソ
ニックもシャープもプラズマや液晶の工場を立てて、
それこそ規模の経済が働かせてシェアをとり、コスト
を下げて、ということをやっていく。というか、やっ
ていくしかないのだ。まさにリスクも大きいが、リタ
ーンも大きいといったところだろう。今回の金融問題
はそのリスクが跳ね返ったという見方もできるのでは
ないだろうか。


それ以外の海外戦略というのは、それこそ技術に磨き
をかけて、他社にはまねできないことをやるという差
別かしかできない。そうなると...。


グローバル化を目指すということは、
・モノづくりで勝負=低価格戦略
・技術で勝負=差別化戦略
そのどちらかしかないのではないだろうか。




その覚悟を持たずしてグローバル化というのは、かえ
って危険なのではないだろうか...。




それと、日本の企業が海外を考えた場合に必ず言うの
が、「顧客は海外の富裕層」という言葉だ。これほど
安易なものもないだろう。そもそもみんなそんなこと
ばかり考えるのだから、違うことをやったほうがいい
。それにしても、「今あるもの(価格が高い)」を売る
ことしか頭にないからそうなるのだ。例えば、ボトム
オブピラミッドにどうやって買ってもらうか?という
質問をしたらどうだろうか。たぶん、まったく違う発
想が出てくるはずだ。


一口にグローバル化といっても、そのやり方は多様だ