B型理論

1年間事業部に行っていて、これだけはわからなかった
、ということがある。事業部自体社内でも目立つぐら
いに業績の悪化が顕著となっている。


実際に事業部の中でも、「もうそろそろ事業部解散か
もなぁ。」「次がダメだったらもうないだろう」、「
来年、部署があるかどうかはわからんなぁ」なんてこ
とはみんなが口にしている。それぐらい業績自体はよ
くない。


でも、そんな状態であっても必ずしも、雰囲気が悪い
わけではない。みんな、それなりに楽しそうにしてい
るし、手直しとかがあれば一致団結して取り組んでい
る。トップの指示にも忠実にしたがっている。別に、
あきらめムードとかそういうわけでもないし、危機感
の欠如というわけでもない気がする。みんな一生懸命
仕事しているし、遅くまで帰らないし。


普通だったら、これだけ業績が悪くなればもっと雰囲
気はぎすぎすしてくると思うし、喧嘩なんかが起きて
もおかしくはないと思う。また、トップ批判が出てき
てもいいだろう。でも、不思議と、あの事業部にはそ
ういうものがなかったのだ。


一方で、B事業部は事業再編に伴って社員からかなり
の突き上げというか、罵声なんかが集会であがってい
たという。「子会社化で業績よくなるといったが、
何も変わらない、どういうことだ」そんなことが叫ば
れていたりしたらしい。たぶん、そういう雰囲気にな
るのが自然ではないだろうか。でも、あの事業部には
そういうことはないのだ。


これだけは、いろいろと観察してきたけど、答えがみ
つからなかった。これについて、この前Nさんに話した
のだが、それで返ってきたのがNさんのB型理論だった



Nさんもあの事業部に対してはものすごく危機感をもっ
ていて、何度もいろいろとアクションをとったり、話
したりしていたが、誰と話しても暖簾に腕押し状態だ
った、という。そこで、Nさんが考えてみたところ、
あの事業部にはとにかくB型の人が集まっているとい
う。


これは僕も知っていたことだが、たしかにあの事業部
にはB型が多い。でも、これも意図的にそんなことを
人事がしたわけではない。人事としては、いつもあの
事業部への配属を考えるときに、「あの事業部でもや
っていける人」という観点で人をみている。要は長時
間労働でも働け、ストレス耐性が強く、落ち込まず、
ポジティブな人、ということだ。そうやって人選して
いった結果、B型が集まったのだという。そして、そ
のB型のよい面がそうしたストレス耐性への強さであ
ったりするのだが、一方で、あまり深く考えずに「
まぁなんとかなるさ」みたいな面がB型にはあり、結
局それがカルチャーの一因になっているのでは、とい
う考え方だ。


僕自身、血液型の話はするが、別にたいして気にはと
めない。でも、NさんのB型理論は不思議とロジカルに
つながっている...。これが本当だとしたら、恐るべき
経営戦略だなぁ...。