なんでもできますという営業

昨日、とある技術系のコンサルティング会社の方が営
業に来られた。基本的には、大学の研究を企業につな
げたり、企業から大学の先生の紹介依頼を請け負った
り、ポスドクの就職を手伝ったり、とかそういう仕事
をされているということだった。技術移転に関しては
、やっぱり大学→企業というのは難しく、企業→大学
というベクトルの場合のほうがうまくいくと言ってい
た。でも、たしかにそうだが、例えば、TLOを批判す
るようなことを言うのであれば、やっぱり大学→企業
のところで成果を出してからではないかな、という気
がした。


それと、元々人材派遣会社に勤めていたこともあり、
例えば試作を作るといったことや、小規模なワーカー
の派遣も請け負ってます、ということだった。まぁ、
一番のウリは大学の先生ととにかくコネクションを持
ってますよ、というところだろう。


でも、やっぱりいまいちピンと来なかったのが、とに
かく何でもやります、何でもできます、というスタン
スだ。大学の研究と一口に言っても、それこそ半導体
、ソフト、材料、物理、電気、医療、生体、とにかく
バラエティに富んでいる。普通の感覚でいえば、それ
らを網羅することなんかできない。だから、どういっ
た分野に強いか?という質問をしていたのだが、そう
いう答えは返ってこなかった。まぁ、たしかに各分野
に精通はしているのであろうが、逆にそれが信頼性を
下げてしまっているように感じた。また、いっしょに
来ていた部下(!?)みたいな人が、「○○さんはホント
人脈すごすぎですから」みたいなことを横で言ってい
たのだが、それがさらに信頼を下げた。


前にもペルソナのコンサルティングの人がきてくれた
けど、そのときも同じような印象を持った。なんでも
できます、というよりは、これは絶対できます、とい
うほうがやっぱり強いんだろうな、というのをお客の
立場として感じた。


それにしても、コンサルタントの営業っていうのは、
難しい。守秘義務があるから事例紹介も限られてくる
し、さらに会社が小さければ仕事なんか選んでられな
いし。だから営業上はなんでもやる、と言わざるをえ
ない。でも、本当に実力がある人はそうはならないは
ずだ。


それとこれは前とも共通していたのだが、営業には来
るが自分たちの話を一生懸命してくれる。僕らがどう
いうところで困っているか、とかそういうところは、
ほとんど突っ込んでこようともしない。僕たちがどう
いう状態にいるか、というのもあまり聞かれなかった
。とりえず、自分たちをわかってもらって仕事がくる
のを待とう、という姿勢かな。でも、それだったら、
営業の意味をなしていないと思う。