研究所のロードマップ

新規事業への取組みということをFさんが説明してく
れた。正直、あまり他の研究室の取組みとか知らない
から、ちょっと楽しみだったのだが...。


でも、見てびっくり。僕がやっている商品、そして、
Gさんがやっている商品Rが堂々とロードマップにのっ
ているではないですか。えぇ...、という感じだ。


「そんなのしかないの?」という感じだ。さらにはと
ってつけたような市場規模、事業規模の数値。いった
い何を根拠にしているの、と首をかしげる。そもそも
希望数値なのか、目標数値なのか、コミットする数値
なのかもなんだかよくわからない数値だ。まぁ、研究
所で出てくるような数値はたいていが希望というか、
願望数値なんだけど、でも、もう2年先の話ですよ、
という感じだ。たった2年先の話でも、願望数値では
まずいのではないかしら。


また、事業Rについて言えば、事業部がやりません、
と言ったテーマである。それにも関わらず、ものすご
い大きさの市場規模の数値が書いてある。これをどう
説明するのだろう。まぁ、実際にテーマをやっている
人間以外は内情を知らないから、ふんふんと思うだろ
う。でも、内情を知っている人間からしたら、茶番に
しかうつらない。


さらにもっとよくないのが、そうなると他の研究室の
テーマもさして知るべし、という気がしてくるという
ことだ。要は信用がなくなる、ということだ。どうせ
うちに関連しているテーマに対してこんな根拠のない
夢物語みたいな捉え方しかしていないのであれば、そ
れこそ他の研究室テーマについても同じだろうという
見方しかできない。


そうやって信頼って失われていくのではないだろうか
。所長がほぼ唯一ともいえる、研究者との接点。そう
した場でこういう話しかできないのは本当に情けない
と思う。


研究所のテーマがこんな状態っていうのを前線の人は
知らない。前線の人の中にはきっとすごいネタがいっ
ぱい未来にはあるはず、と思っている人もいるかもし
れない。でも、実情を知ったら希望がなくなってしま
う。


研究所というのは役に立たないようなものばかりやっ
ているかもしれない。でも、やっぱり最低限、成果が
出るかどうかは別としてそれは希望の持てるものでな
ければダメだろう。研究テーマの良し悪しの最低基準
はそれではないだろうか。