伝統に根ざしたもの

今日は1日予備日だったので、みんなでアーヘンとブリ
ュールに観光にでかけた。アーヘンは大聖堂が世界遺
産になっている町だ。


アーヘンの大聖堂の周りはクリスマスマーケットが始
まっていた。小さなお店が立ち並び、クリスマスの飾
りものなどを売っていた。日本の正月に屋台が立ち並
ぶようなものなのだが、日本よりもなんていうのか、
重みがあるというかそういう感じだった。お店自体も
けっこうきっちり立ててあり、日本の屋台のように安
っぽいものではない。まぁ、外国人が日本の屋台をみ
たときにどう感じるかはまた別だが。ただ、こっちで
は11月下旬からクリスマスマーケットがはじまり、こ
れがクリスマスまで1ヶ月間続くのだ。日本の場合は正
月の3日間だけなのだが、こちらではたぶんこうやって
クリスマスが少しずつやってくるのを待つのを楽しん
でいるような感じなんだろう。


まぁ、日本でもデパートなんかでは11月ぐらいからク
リスマスツリーが用意されてクリスマスマーケティン
グが始まるのだが、そういうのとはやはり違う。元か
らクリスマス自体が伝統としてあった国とそうでない
ただのマーケティングとではやはり重みが違うだろう



そういう意味で言って、日本の伝統ってたぶんお正月
であったりとかお盆であったりとかするんだろう。で
も、そういう伝統的な文化もどんどんと薄れていって
いるように思う。昔はみんなで餅つきをしたりしたの
だが、今では餅も買ってくるし、昔はおせち料理は正
月はお店がやっていないから、その間保存できるよう
に、ということで作っていたのだが今はただお正月に
形式的に食べるものになってしまっている。重箱なん
かも使い捨ての容器になったりして...。でも、たぶん
外国人が日本にきて日本を素晴らしいと思うんはやは
りこういう固有の文化に触れたときだろうと思う。そ
う考えると、本当は素晴らしいものなのに、自らそう
いうものをなくしてしまっているのは残念でならない
。地方なんかでは少子化で伝統的なお祭りがなくなっ
たりしている。たぶんそういうなくしたものを気づい
たときには遅いんだろう。


で、また話はちょっと飛躍するかもしれないのだが、
きっとこういうのも第2次大戦で負けたときの反動があ
るんだと思う。要はそのときに、日本自体が全否定さ
れそれを受け入れて、その後はアメリカに追いつき追
い越せでやってきた。さらに教育でも、戦争は絶対に
間違っていた、日本が悪い、ということで教育を受け
ている。そうなると、愛国心というものはやはり前面
にあらわしにくいと思う。本当は世界に誇れるものが
たくさんあるのにもかかわらず、もともとの慎ましさ
を大切にする性格もあってかそういうところでなかな
かアピールできなくなっている。僕自身も外国人とコ
ミュニケーションをとっていたときに、彼らはみんな
自分の国がいかに素晴らしいか、ということを語って
いた。ポルトガル人のパウロは、「昔、世界を制覇し
ていたのはポルトガルとスペインだ...」みたいなこと
を言っていたが。でも、オスカルは部屋にコロンビア
の旗を掲げていたし、ポールはドイツの伝統的文化の
素晴らしさを語っていた。一方で自分自身はなかなか
日本の素晴らしさというものを伝えることができなか
った。やはりそれはまぁ自分の性格もあるが教育の影
響もあるように思う。じゃーどうすればいいか。もち
ろん、戦争は悪という教育は正しい、でも、それと日
本を否定することは違うことを学ばないといけない。
さらに今後のさらなるグローバル化を考えるのであれ
ば、日本がどういう文化を持っているのかというもの
学ぶことが必要だと思う。そのためには、たんに日本
の伝統文化はどうたらこうたら、というのではなく、
他国と比較して学ぶとより理解ができるんだとうと思
う。たぶん、こういうのを比較文化論っていうのだろ
うな、きっと。そうして、改めて日本のアイデンティ
ティというものをもてるようになったときに、愛国心
というものが生まれるような気がする。


もうひとつ言うと、ドイツでCNNを見ていると、やたら
といろいろな国をPRするCMが流れていた。日本もこう
いうところでもっとアピールしてもいいと思う。世界
的不況であり国内が不況であるなら観光で外貨を稼ぐ
というのもひとつの手段だろう。