MEDICA 2008
MEDICA 2008に3日間参加しての感想だ。
MEDICA 2008とは、世界最大規模の医療機器の展示会で
、ドイツのデュッセルドルフで毎年11月下旬に開催さ
れている。
さて、参加する前のメディカに対するイメージと参加
してからの変化だ。
○ 来場者 :医者、病院関係者→商社、医療卸
○ 目的 :新商品紹介→商談
○ 展示内容:先端医療機器→既存医療機器
まず、来場者だ。当初考えていたのは、ドクターとか
医療事務の人が直接来て、製品の説明を受けるのだと
思っていた。まぁ、学会の機器展示のようなものをイ
メージしていた。ところが実際に行ってみると、ほと
んど医者はいない。というよりは、どこのブースを訪
問しても、「Are you a distributor ?」と聞かれた
。つまりは、エンドユーザに直接説明するというより
はメーカーが医療機器販売会社や卸会社に説明する
場というのが正しいといえる。そういえば、神戸市が
出展していたのだが、神戸市の担当者の人にどんな人
が来るのか聞いたところ、アラブの商人みたいな人が
やってきた、と言っていた。だから、どこのブースに
も商談スペースが設けてある。すぐに価格交渉などが
できるようにするためだ。そういう意味で、医療機器
業界の特殊性をかいまみた気がした。要はメーカーが
いいものを作るのもそうだが、まだまだ仲介業者が、
影響力をもっている業界だといえよう。それは、取り
扱いに説明が必要だから、というのが大きく作用して
いると思う。手術用レーザーを売るのと、プラズマテ
レビを家電量販店で売るのとでは、全然違うというこ
となのだ。一方で、医薬品については、各社がMRを自
前で抱えて、MRが説明責任をおっている。そこが、製
薬会社と医療機器メーカーの違いなのかもしれない。
これからどっちがどういう方向に転がっていくんだろ
うか。おそらく医療機器についてはコモディティ化さ
れればされるほど、仲介業者が淘汰されていくと思う
が。
次に目的だ。もう上にも記載してしまったが、新商品
の説明というよりも、商談の場と考えたほうが適切だ
。
そして、展示内容。これも期待はずれだった。インパ
クトのあるような先端技術が並んでいるかと思いきや
、ほとんどが何の差別化もしようもないものばかりが
並んでいる。逆にどこに新規性があるのかを見出すの
が難しいぐらいだ。これもやっぱり、商談の場という
のを考えれば理解できる。つまり、市場が既にあるも
のでしか商談にならない。だから、まだ市場があるか
どうかわからないもの、とか、まだ承認が降りるかど
うかわからないもの、というのは商談のステージにの
らないからだ。ただ、各国のベンチャーなどが出展し
ていたスペースは面白かった。そういうところは、
けっこうチャレンジングな製品が並んでいたからだ。
だから、MEDICAにおいて新規性を見出そうとするので
あれば、国別エリアのようなところでベンチャー企業
をみたりするのが参考になると思う。
さて、いずれにしても、わざわざそのためだけに行く
価値があるか、というとあまりないと思う。何か別の
のものとくっつけていく、というならそれはありだろ
う。でも、ある特定分野に着目してて、それの市場動
向を肌で感じるというのであればウオッチしておく意
味はあると思う。
あと、まわっていて思ったのは、話を聞かないとわか
らない、ということだ。いろいろと話を聞いてみると
、こういうところに新規性があるのか、という発見が
ある。展示会をみるにはこういうところが重要だ。