スパークする思考

飛行機の中で内田和成氏のスパークする思考を読んだ
。示唆に富む内容が多々あり、読んでいて楽しかった
。内田和成氏のブログは普段から読んでいるが、その
内容もふくめて氏の近々の考えをまとめた内容といえ
る。


自分もこうしてブログを書いているわけだが、きっと
いつかその内容が役に立つときがくるかもしれない。
そのためにはもう少し整理が必要だが。僕の場合は、
思考の棚作りからはじめないと。まだまだどのエント
リーも思いつきで書いているものだし、しかも書いて
いる間に内容が変わっていったりしてしまうし。まだ
まだ修行が必要だ。




さて、いくつか本の中で面白かったトピックを。


(1) 戦略は捨てること
『「今日のピッチャーは直球が走っているぞ、それに
カーブもよく曲がるし、シュートも切れている。だか
ら気をつけろ」とアドバイスする監督がいるが、そん
なものはバッターとしては言われても困るだけで何の
役にも立たない言う。要するにアクションプランに繋
がらないからだ。このようにものをしっかり考えてい
ないために、あれもこれもと並列で言い立てる、自然
体の監督のことを並列列挙型とよぶそうだ。これに対
して戦略型の監督は、たとえば、「直球は走っている
から捨てて、変化球を狙って行け」というような具体
的なアドバイス、すなわちムダにするものあるいは捨
てるものを教えてくれるのが役に立つ』とある。つま
りこれは、「戦略は捨てることなり」(オリジナルは
島田隆氏と書いてあるが)ということにつながるのだ。


一言に「戦略は捨てることなり」といっても、なかな
かピンと来ない。こういう話をされれば、捨てるとは
そういうことかぁ、というのがわかるのだ。だいぶ前
に事業部でOさんがみんなを前にして、「戦略は捨て
ることだと聞いたのが新鮮だった」というような話を
していたが、周りの人間は、へぇ、というような顔を
しているだけで何のことかまったくピンときてなかっ
た。そのときにこういう話をしていたらまた違ってい
たと思う。で、その後に続くのが、「で、うちの会社
でいうと...」みたいなことだろう。いくら自分が感
心してもそれが仲間に伝わらなかったらやっぱり、何
の意味もなさない。




(2) 仕事と作業
『オフィスの常識では、ボーっとしている人間は叱責
される可能性が高い。何か忙しそうに身体をあるいは
手を動かしていないといけないと思われている。頭を
動かしていても、誰にもそれはわからない。だから、
わかりやすく忙しそうにしていることが求められてし
まう。しかし、そのこととクリエイティビティとは関
係がない。だから、通常のオフィスタイム以外に自分
がクリエイティブになれる空間を見つけることが大切
なのだ。
仕事と作業は違う。仕事は目的を成し遂げることを言
い、作業とはその仕事を成し遂げるための必要な手段
のことである。』


どこの会社でも見られる光景だろう。遅くまで頑張っ
て資料作りをしていると、「あいつはよくやっている
」となる。でも、やっぱり本当に考えているかどうか
というのは結果にしか現れてこない。その結果をきち
んと見れるかどうかが大切だ。


これはテーマをみることにもつながる。残念ながら、
うちの研究所でそうした目利きはできない。「○○さ
んだから大丈夫」みたいな発想しかない。結局、プロ
セス重視の思考なんだ。本質的にそれがどうかをみな
いといけないのに。


ただし、投資家が起業家への投資を決める際に、その
コンセプトもそうだが、人間をみて判断する、という
のはよく聞く。SBIの北尾さんがそうだ。でも、うち
の会社でそんな高尚なことは考えてないだろう。