製造業モデル

各社が軒並み業績を下げる中、パナソニックが中間期
の最高益を更新した。


2001年に赤字を出してからV字回復を遂げたパナソニッ
クは変わったのだろうか。僕自身、根本的な部分は変
わっていないと思っている。


薄型テレビにしても、デジカメにしても、DVDプレーヤ
ーにしても大量に製造して、シェアをとってコストを下
げて、といずれにしても規模の経済と経験効果が成り立
つものだ。要は今までやっていたことに対して、選択と
集中を行い、さらに最先端の分野でそれを徹底的に行っ
た、ということだろう。もちろん、体質的な部分でキャ
ッシュフロー経営への以降やサプライチェーンの変革な
ど変わった部分はある。さらに、チャネルとしてもって
いたナショナルショップに必ずしも捉われなくなったと
いうのも大きいと思う。


ただいずれにしても、大量に製造し、大量に販売し、コ
ストを下げて...という事業モデルとしては変わってい
ない、というかそれに磨きをかけたというほうが正しい
のではないだろうか。また、製品自体のサイクルが早く
なり、長期的に利益を回収しようという考えが通らなく
なっている。だから、できるだけ大きな市場でこれをや
らなくてはならないくなっている。だから、「伸びてい
る市場」x「グローバルに売れる」というのが意思決定の
判断基準になるんだと思う。そしてそのための機能的優
位性を出すものを作りなさい、というのが開発に対する
指示なんだと思う。デジカメなんかはそれに当たるだろ
うし、レッツノートなんかもそうだと思う。


逆に言うと、それ以外のものというのはもはや日本の製
造業としてやっていくのは厳しいといえる。アイロンな
んかはその最たるものだろう。付加価値が出しくく、市
場も伸びていない、というものだ。だから、OEMで作ら
せてブランドだけは冠するというようになっていくんだ
と思う。