反対・賛成の激しい議論

強いコンセプトの判断基準は次の3つだと、TさんとHさ
んに教えてもらった。


(1) いままで見たことがない
(2) 目標期間内で実現可能性あり
(3) 反対・賛成の激しい議論を生む


さて、(1)と(2)はわかる。ふつう初めて聞いた人は(3)
は一瞬なぜ、と思うはずだ。


でも、これはドラッカー氏も著書の中で言及している
。全員が賛成でも全員が反対でもダメで、賛成と反対
が半々にあるものを実行せよ、というようなものだっ
た。


さて、これを自分で考えてみた。これはイノベーショ
ンに対する考え方なんだと思う。


つまり、賛成の人がいる、というのはその新しいコン
セプトを理解できる人がいるということが確認できる
。また、反対の人がいる、というのは要は古い価値観
で判断している人がいるということなのだ。つまり、
古い価値観ではその新しいコンセプトを理解できない
ということ。要は自分がそのコンセプトを事業とした
ときに既存企業は古い価値観でそのコンセプトを見て
くれるから、相手にしようとしてこない、限られた新
しいコンセプトを理解できる人というニッチの市場で
競合がくることなく、市場を創っていくことができる
。そして古い価値観でそのコンセプトをみていた企業
というのはあるとき、自分たちがその新しいコンセプ
トに凌駕されていることに気付くのだ。


この「反対・賛成の激しい議論を生む」というのは、
ブルーオーシャンの可能性がある、というのを示唆し
ていることだろう。


もう1点、今度はその議論をマトリックスで考えてみ
る。2つの軸で、1つ目は激しい議論が強いor弱い、も
う1つは本質的価値があるかないかだ。


議論強、価値有:イノベーションの可能性
議論弱、価値有:パルプンテ
業界を覆す不確実性のため理解不能
で賛成なのか反対なのか判断できな
い。
議論強、価値無:ただの会議
議論弱、価値無:無気力
本質的につまらない


つまり、イノベーティブなものが必ずしも激しい議論
を巻き起こすとは限らないのでは、ということだ。要
はまったくわけがわからないもの、不確実性の極大化
をもたらすものというのは本質的に理解できないもの
だと思う。例えば、どんなものがあるだろう。1995年
の時点でgoogleが世の中の情報を全て検索可能にする
、というコンセプトを聞いたとしても理解できなかっ
たのではないだろうか。うーん、いまいちな例かな。
ちょっとこのあたりはもっと考えていこう。


いずれにしても、賛成と反対の激しい議論というのは
古い価値観の人がいるという証であり、同時に新しい
コンセプトを受け入れる顧客がいる、ということを示
しているのだ。僕はそう解釈する。